8月18日 RRB散歩「天橋立〜城崎編」:その2「舞鶴引揚公園」

「さあ、海へ出たぞ」
「島が見えます」
舞鶴湾。これから最初の目的地、引揚記念館へ向かう」
「引揚って」
「戦争が終わった時に中国やロシアにいて帰れなくなった人達が、やっと帰って来る。それがこの港に到着したのじゃ」
「へえ」

「さて、バスに乗ったら大雨」
「あれ、五木茶屋では晴れてましたね」
「そう。そして山を越える時は再びびっくりするような大雨にも襲われたが、到着前に上がった」
「あら、さすが脳天気な大家さん、晴れ男ですからね」
「こちらが記念館
「はい」

「こちらが入口
「ほとんど同じ写真ですね」

「こちらはシベリアの収容所の模型」
「寒かったでしょうね」
「収容された途端に、持ち物は全て没収された。兵士達が使っているのを見て悔しかったという話もあるな」
「辛いでしょうね」

「こちらは収容所での生活を再現したもの」
「大変だったでしょうねえ」
「健康診断をして、全く動けないと判断されると病院に入れられるが、それ以下の軽い人は強制労働に送られた」
「全く動けないだけですか……非人道的ですねえ」
「逆に、日本でも、アメリカ軍の捕虜を真夏の日向を一日中歩かせて何人も死なせたとか……色々なことをやっているからなあ」
「はい、広島でもありましたね」
「原爆では被害者の様に見えるが、同じ広島で日本では毒ガスを研究し、中国で実験的に散布もしているのじゃからな……」
「はい。歴史の勉強になりました」
「今回ここが加わった目的が何となく分かるかな……ちょっと強引だけど……」
ボストンでは原爆の仕掛け人、アインシュタインの記録を学びました」

「余計な話が長くなった。記念館の側の高台に登ると、こちらは平和の祈念碑
「はい」

「これも祈念像。みんな祈念撮影をしていた」
「はいはい、記念撮影でしょ」
「他に『岸壁の母』と『異国の丘』の碑もあったが、わしは趣味がない」
「はいはい。大家さんは戦後の生まれですが、軍歌50曲が歌えるのです」

「その高台から移した海」
が見えますね。何という橋です」
「え……ううん……瀬戸大橋かな……」
「それは瀬戸内海、ここは日本海でしょう」
「あ……じゃあ、日本大橋」
「いい加減だね」
「さ、次行こう」
「……次回に続きます」

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