9月12日 神田辺りをぐるっと一周:その2「神田明神」

「神保町のらくごカフェで開催される鈴々舎馬るこのごっつぁん亭が目的」
「その会はすでにご紹介」
「今日ご紹介するのは湯島聖堂
湯島の白梅ですね」
「お前は若い衆という設定だから、知らない方がいいな」
「あ、そうか……湯島の白梅ってのは、何です」

「泉鏡花の『婦系図』という作品。主人公の早瀬主悦が、芸者のお蔦と付き合っていることを先生にとがめられて分かれるという」
「悲劇ですか」
「題名が堅いというので、舞台や映画では『湯島の白梅』と題され、『湯島通れば思い出すお蔦主悦の心意気』なんて、わしらの世代なら子どもの頃に知っていた歌じゃ」
「その舞台なんですね」

「梅がないので先へ行こう」
「あらら」
聖橋を渡って……」

「ここは御茶ノ水駅の上で、中央線と東西線が入れ違うから、電車好きにはたまらない場所」
「はい、電車が走っているといいですね」

大久保彦左衛門の屋敷跡
「どういう人ですか」
「実は頑固で古臭い考えを持っていたために、あまり受け入れられなかった人らしい。その書き残したのが、武士としての心得として、天下のご意見番となり、一心太助という魚屋を将軍の身代わりにしたてるチャンバラドラマになった」
「無茶苦茶ですね」
中村錦之介(後の萬屋)が落ち着いた将軍と、江戸っ子べらんめえの魚屋を演じ分けていたのは印象深い」
「はい、先へ行きましょう」

「これは日大のカザルスホール。偉大なチェリストを記念したホールじゃ」
「これで神保町へ出ました」
馬るこのごっつぁん亭に参加致しますが」

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