足利への旅 その4:織姫神社

「さて、足利の町を西へ進みまして、やって来たのが織姫神社
七夕様ですか」
「どうやらそういうことではなく、この町は織物が盛んだったので、織姫様を祀ったというのが本当らしい」
「歴史はあるんですか」
「昭和に入ってから建立されたものじゃ」
「新しいんですね」
「上まで車でも行けるが、最初の足利学校の脇にある太平記館に車を置いてきた」
「それで……この石段を上がるんですか」
「229段ある。これを上がると縁結びが叶うという」
「……大家さん、奥さんがあるんですよね」
「ここの縁結びは、人、健康、智恵、人生、学業、仕事、経営という7つの縁があるのじゃ」
「そこから好きなものを選ぶということですか」
「縁というものは不思議でな……わしの守り神は織姫の相手の牽牛なのじゃ」
「どうでもいいですね」
「ということで、こちらが本堂
「ちょっと斜めですが」
「雰囲気は悪くなかったな……」
「何か口ごもっていますね」
「素朴な疑問が浮かんでいて」
「どういうことです」
織姫様は、愛する牽牛と別れさせられたのじゃろう」
「あ、そうなんですか」
「それで、年に1日だけは逢うことを許された。それも、一滴でも雨が降ると、天の川があふれて逢えなくなるのじゃ」
「恋は大変なんですねえ」
「まあ、それで、恋愛の面で縁結びといっても、何だか別れ別れになるようになるようで……それでも年に一度逢うことで愛を確かめるからいいのかな」
「……大家さん、それが守り神なんでしょ」
「だから岡山に単身赴任ということになったのかも知れないな……」
「どうでもいいですね」
「さあ、ここからは関東平野を一望出来る」
「いい場所に作りましたねえ」
「ここから県立自然公園ハイキングコースというのがあって……」
「行ったんですか」
「最初の歴史のまちを望むみちというのが6.1キロ。平地ならわしの足なら1時間ちょいだが、山道なので標準3時間とされている」
「ちょっと大変ですね」
「そこから山なみのみちというのが8.5キロ。標準で4時間」
「1日掛かりですね」
「車を移動する人がいないと駄目じゃな」
「どうします」
「はい、そのゴールまで車で移動することにした」
「じゃあ、移動しましょう」

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