スペインの旅 その1:バルセロナ

「スペインの方々を京都へご案内、そのお返しってんで、関西空港からスペインへ向かった」
「地獄のスケジュールですね」
「直行便がないため、ヘルシンキ経由でバルセロナへ10時間半。京都でも雪だったが、世界的な大寒波で、ヘルシンキからの飛行機が滑走路が凍って飛べないかも知れませんぜなどと脅されていたが、無事に……少し遅れ程度で到着。でもホテルに8時着予定が11時になったのは何だったのじゃろうか……」
「分かりませんね」
「到着遅れでホテルも気を遣って食事は用意してくれていたが、日本とは桁違いじゃなあ」
「考え方が違うのでしょうね」
「まあ、こうして初日は無事に到着しただけ……って、京都を出発したのと同じ日付ってのがおかしいなあ。恐ろしいのは、翌日は5時半起床」
「睡眠時間が6時間半ですか」
「とんでもない。着いてから食事をして、湯ゥ行って、それから寝るのじゃから……」
「すごいね……でも、それなら時差ぼけは少ない……って、大家さんもともとずれてるからね」
「そうそう、みんなそう言ってほめてくれる」
「ほめてないって」
「2日目はバルセロナ市内の観光。まずはモンジュイックの丘から見たバルセロナの町」
「写真は右上」
「ここはオリンピックの施設など、色々集まっているバルセロナの中心なのじゃ。もっとも町というのはここしかないらしい。スペインで2番目の大都市なのじゃがな」
「本当の中心なんですね」
「さて、ここからグエル公園に入る。1900年から15年間にわたって建築されたが、1984年に世界遺産に登録された。そのときは『バルセロナのグエル公園、グエル邸、カサ・ミラ』という名称で登録されている。2005年に追加登録された時、『アントニ・ガウディの作品群』という名前に変えられた」
「あ、ガウディって聞いたことがありますよ」
「そのトップにあるのがこちらのカサ・ミラ、ミラさんの邸宅という意味らしい」
「変わった形ですね」
「こちらもガウディの作品。ところが、最上階にマリア像を置くという計画があったのに、当時暴動が起こり、建築主が貴重な物を置くことを中止してしまった。これでガウディがやる気をなくして、ジュジョールという人が仕上げを行ったとか……」
「自信なさげな説明ですね」
「現地で聞いただけなので、違っていたらごめんなさい」
「いい加減なんだから」
「その形から、『ラ・ペドレラ(石切り場)』と呼ばれている建物なのじゃ。最上階はガウディの博物館になっている」
「はい」
「こちらは世界遺産になっているグエル公園
「古代の世界のように見えますね」
「実はこれも先ほどと同じ、ガウディの設計で、家はジュジョールの作品」
「え、じゃあ最近出来たばかりなんですか。古代のジャングルのようですね」
「60軒の家があって、屋根伝いに散歩も出来るように作られたのじゃが、こちらでは高価すぎたのじゃろうか、2軒しか売れず、結局市に寄贈されて公園になったという訳じゃ」
「なるほど」
「売れた家は片方がグエルさん、もう一方はガウディ自身が買い、今はガウディ博物館になっている」
「すごいですねえ」
「さて、最も中心となる公園の入り口」
「これはカメレオンですか」
「とっても有名なもので、みんなここで記念撮影」
「誰の作品です」
「さあ……」
「本当にいい加減だね」
「もう一つ、世界遺産のサンパウ病院があるが、工事中で上から眺めただけで写真も無し」
「じゃあ、次行きましょう」
「はい、サグラダ・ファミリアへ参りますが、それはまた次回」

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