12月23日 堀の内寄席

「さて、銀座から高円寺へ移動して、落語『堀の内』でお馴染みのお祖師様へ」
「あわて者を治してもらうようお詣りです」
「そうそう……違う! 毎月23日に行われている堀の内寄席。休みでないと行けないから、なかなかいけない。結局昨年12月以来、ちょうど1年振りということになった」
「あらら」
「出演者全員と、世話人の今輔師匠にも差し入れ」
「昨年約束をして、丸一年ほったらかしでしたから」
「実は明日、日本橋亭で今輔の会があるのじゃが、わしはそこから歩いて5分の所で別のイベントがあって行けない」
「たった5分ですか」
「いや、申し訳ない……はい、本日はこれにて……」
「また……大家さん、寄席の中身をお伝えしないと」
「あ、そうか。忘れちゃった」
「しょうがないね」
「最初(ハナ)は桂夏丸君で『表札』。これももうお馴染み。前の今輔師匠の録音が残っているが、夏丸君の方が桁違いにいい。これはまあ、色々理由があるのじゃが……珍しい作品だけに、磨いて行ってほしいものじゃ」
「はい、続いて三笑亭可女次
「『浮世床』から将棋、本、夢。よく勉強している若手じゃ。これも将来が楽しみじゃぞ」
「こちらもこのページで時々ほめていますね」
「個性が出て来ると面白いが、今の所古典に忠実に演っていて、個性が出る時はちょっと邪魔になっている。まだこなれていないということじゃ」
「はい、仲入りをはさんで、トリは三遊亭遊喜
「『不動坊』を演じた。前半を簡単に進め、湯屋へ行くあたりかたじっくり。若者4人と噺家の個性をどう出すかが演じどころじゃ」
「良かったですか」
「まだ磨く部分もあるのは若いからじゃな。課題は人物描写。もっと落語的に違いをつけていいかも」
「あまりやると行けないんでしょう」
「そうじゃな。落語という芸の性質から言えば、演じる者が消えるのも良くはない。まあ、そういう見方をすれば、大満足の一席じゃな」
「ややこしいね」
「そういうことで、鑑賞に堪える3席という会でございました」
「これから、夜のろべえ勉強会のために、市川・行徳へ移動でございます」

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