大阪の旅 9月30日
第1章 箕面の滝

「さて、昨夜は大阪で一泊いたしまして、本日は、爺さんの手記にある阪急宝塚線沿線を取材しようという……これが今回の本来の目的でございました」
「昨日は大阪環状線を、1駅残して全部通過しました」
「今日は宝塚線走破じゃ。これはJRの大阪駅ではなく、梅田駅から出発する。朝7時前に乗車して、石橋で乗り換え、箕面線の終点、箕面(みのお)駅からまで歩くのが最初の目的地」
「どの位あるんです」
「山を登って2.8キロの往復じゃ」
「大変そうですね」
「それが、500mほど進んだら、カメラの電池切れ……荷物を駅のコインロッカーに入れたので、取りに戻った」
「じゃあ、往復5.6キロが6.6キロに……準備がいい加減だから」
「まあ、1キロ増えた程度ですんだのが、わしの普段の行いのいいところで……もし行いが悪かったら、で電池切れになり、写真が撮れなかったじゃろう」
「はい、すごい言い訳」
「右上は最初の休憩場……蜂の巣があって立ち入り禁止になっておった」
「残念」
「左は昆虫館、この公園の事務所になっておる」
「昆虫が展示されているんですか」
「朝早すぎて開いていなかった。どんどん進むと弁天様がまつられている開山堂、道と川を隔てて向こうが龍安寺
「下の写真は」
「左側が開山堂から見た龍安寺じゃ」
「右は」
「山の中にたたずむ野口英世像……ここがちょうど行程の真ん中に当たるな」

「どんどん道が山の中に入っているのが分かりますね」
「右の写真は天狗鼻と呼ばれる辺りを越えた辺りかな……天狗鼻というのは、右側の対岸がせり出していて、ここが紅葉すると天狗の鼻に見えたというのじゃが……今の季節ではさっぱり分からん」
「はい、続いては」
唐人戻岩(とうじんもどりいわ)という大きな岩がある。まだ道が拓けていなかった頃、中国から貴い人が来日したのじゃが、滝の見事さを聞いて山を登って来たのじゃが、この岩に驚き恐れて逃げ帰ったというのじゃ」
「本当ですか」
「まあ、そういう伝説が残っているのじゃ。下の写真左側がそれじゃよ。高さ7.5m、幅7.3mの岩と、高さ7.3m、幅2.1mの岩が接している」
「右側は」
「川の水が明るいところではきれいに見えた。まあ、進む先々にこのようなポイントがあるから、退屈せずに時間も忘れて進めるのじゃなあ」

「さて、いよいよに到着ですね」
「右の写真は滝が見え始めた辺りからねらった」
「大きな滝のようですね」
「落差は……m、幅……mじゃ」
「聞こえませんが」
「看板もなかったし、調べるのは面倒だったので……」
「しょうがないね」
「下が滝の全景」
「いい形ですね」
「うちの爺さんは宝塚へ行く途中で立ち寄ったという。わしもこれから宝塚へ向かうのじゃが」
「さて、いかがあいなりますやら、引き続き申し上げます」

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