大阪の旅 9月29日
第2章 四天王寺

「さて、再び新今宮から環状線内回りの旅が続きます」
「次の駅が天王寺……ってんで、落語に出てくる天王寺やないかってんでお参りすることにしたんや」
「さよか。ほな、まいりまひょ」
「ところがな、駅員に聞くと『天王寺って寺はおまへんにゃ』という返事や」
「どういうこっておます」
「疲れるから大阪弁はやめよう」
「そうしましょう」
「要領を得ないからそこらの人に聞いても、『天王寺はない』という。あれれってんでお婆ちゃんに尋ねると、『あれは四天王寺というんや』……四天王寺はあるが天王寺はないんだと……駅員、そこらの人、ここで尋ねたら『四天王寺』を教えるのが常識と違うんかい」
「今更怒っても……」
「まあ、とにかく行ってみたが、落語の天王寺と同じなのか違うのかよう分からん」
「はいはい」
「『鷺取り』では、五重塔の九輪につかまった男の台詞で、『天王寺はんや、天王寺はんや……天王寺はんにしては……かんじんの五重塔がないな……本堂で……金堂で……あわわ……これが五重塔や』てな台詞がある」
「それで」
「左の写真で、右が五重塔、左に見える屋根が金堂、その左方向に本堂があるので、位置関係は納得できる」
「本当はどうなんでしょう」
「まあ、その他色々と落語関係の舞台のはずなのじゃが、本日はこれまで。予定があるのでゆっくり取材ができないのが残念」
「いそがしいことで」
「右の写真が本堂ということでございます。さて、駅までの道筋、色々面白いお店が並んでおりますが、仏具屋さんが面白かった」
「変な趣味。何か買いましたか」
「いや、残念ながら……荷物になるのでやめた。お菓子の釣鐘饅頭……これも写真を撮れば良かったが、食べてしまった。それからあられが可愛らしかったのでつい買ってしまった」
「本当に変な趣味……写真は」
「これも食べちゃった」
「しょうがないね……先へ行きましょうか」
「今度は大阪城じゃ」

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