9月25日 行徳落語会

「さあ、この日は市川を散策し、最後は柳家ろべえ君の行徳落語会
「恒例の会でございます」
「先月に引き続き、写真でネタを当てていただきましょう」
「はい、これは煙草を吸っているんですか……何か考え込んでいるような……」

「さあ、もう一人の仕種」
「同じく煙管を持って……不思議な表情ですね」

「で、三人目ではっきりするじゃろう」
「『欠伸指南』ですね」
「そう。最近同じTENの仲間である菊六君が取り上げているが、同じ手順じゃな。みんなで磨き合っているのを感じる」
「で、ろべえ君は」
「師匠の落ち着きと習う男の落ち着きのなさが面白い」
「はい、いい出来だったということですね」

「さあ、ゲストは寶井琴柑ちゃん。6月に二ツ目昇進」
「おめでとうございます」
「開演前に挨拶をして写真を撮る許可をいただいた。わしが茨城から来ているのを知っているので、水戸藩士である伊藤孫兵衛の一席」
「うれしい気遣いですね」

「もちろんお祝いを渡し、手拭をもらって来た」
「はい、仲入り後はろべえ君の2席目ですね」

「あ、このポーズで分かっちゃった」
「はい、2席目は『火事息子』」
「大ネタですね」
「課題は色々ある……とまず断言しておこう」
「だめですか」

「いや、とにかく落ち着いて、父親の心情を伝えることに重きを置いていた。その点が何より。長くて笑いも少ない部分で、客をひきつけていたな」
「良かったんですね」
「写真は父親」
「落ち着いた雰囲気が伝わります」

「これは情けない顔をしていますが……」
「胸がいっぱいになった母親じゃ。間にちょっとしたくすぐりがあるのじゃが、全体の雰囲気で笑えない。まああまり受けると軽くなって噺が死んでしまうから、こんなものじゃろう」
「ということで」
「以上を持ちまして、行徳落語会のご報告と致します」

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