8月29日 蜃気楼龍玉真打昇進披露宴:その4「ご祝儀」

龍玉の披露宴の続きですね」
「ご祝儀をつけたのが鏡味仙翁社中と仙三郎社中」
獅子舞ですね」

「これは家和楽社中」
「めでたい席にはなくてはならない」

「さて、獅子は1人になって……

 はい、おめでとうございます」
「息の長い台詞でしたねえ」
「こちらもご祝儀を用意したが、客席には回らなかった」
「ご祝儀って……」
獅子舞が回って頭を噛んだりする。その時は餌にお札を与えるのじゃ」
「へえ」
龍玉は、こういう祝儀やお祝いの言葉に、必ず壇上に上がって受け止めていた。師匠や先輩が色々と悪く言うが、本当にいい子じゃなあ」
「子は失礼でしょう」

翁家和助小花の傘の曲芸」
「お見事」

「さて、お祝いのご祝儀が続いておりますは、和助・小花の傘の曲芸」
「左は鞠の小縁渡り(こべりわたり)、右は金輪ですね」
「お客様の金回りがよくなります」

「今度は二人で桝」
「ますます良くなります」

「お、これはすごい」
「撥に土瓶を乗せて回したり転がしたり……」
「同じじゃないですか」
「転がすのは根元から先へ、またはその逆へ転がすのじゃ。回すのは撥の上で独楽のようにグルグル回すのじゃ」
「日本語は難しい」
「蓋だけを落としたり、撥で投げ上げて受け止めたり……一番すごいのが写真。投げた土瓶を弦で止める」
「人間業じゃないですね」

「今度はお皿投げですか」
仙三郎社中じゃ」
「見事なものです」
「さあ、続いて挨拶ということになるが、龍玉師匠が修行中から応援していたという落語会の席亭など……一般にはあまりお馴染みでない人達なので省略」
「ほら、始まった」
「次のページでは来場していた噺家さんをつかまえます」

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