6月2日 水戸を行く:その7 愛宕神社

「さて、保和苑から少し歩くと愛宕山がある」
「何と読むんですか」
「……会話でやっているのに読み方を聞くのはおかしいな」
「ううん……でも、2通りありますね」
「そう。落語の題名でお馴染み。東京のは『あたごやま』で放送局などあり、『鉄道唱歌』で愛宕の山に入り残る……と歌われているが、落語の舞台になるような山ではない」
「はい」
「一方落語に出る京都の山は、安藤鶴夫は『あたごさん』が正しいと言っている」
「へえ……じゃあ、落語の題名も変えないと」
「そう、それが桂米朝師匠に伺ったら、山の名は『あたごさん』が正式だが、信心で登る場合はやはり『あたごやま』が正しいのじゃそうじゃ」
「なるほど」
「まあ、東京では議論されていたが、上方では常識だったという次第」
「はい、本日はこれぎり」
「わしのギャグをやるな」
「で、水戸は」
「『あたごやま』じゃ」

「また鳥居ですね」
「ここが神社

「やはり高い所へ登るようになっていますね」
「実はこの山が、古墳なのじゃ。前方後円墳になっている」
「へえ……誰のための古墳なんですか」
「それが分からないらしい。出土品から6世紀初頭のものとされている。古墳は全長136.5m、前方部分は高さ9m、後円部分は高さ10m」
「はい、昔から何かあった土地ですね」
「そういうことじゃな。それではまた次回」
「まだ続きます」

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