8月19日 RRB散歩「天橋立〜城崎編」:
その14「城崎温泉湯めぐり碑めぐりその2」

「「城崎温泉街の散歩を続けております」
「散歩といえない、かなりハードなコースです」
「地図にある数字のある丸は文学碑で、本文でもその数字で紹介。温泉は通し番号でございます」
「前回は4の番号のある地蔵湯まで来ましたが、数字があるということは碑があるってことですね」
「朝湯だったので、カメラを忘れた」
「しょうがないね」

大谿川(おおたにがわ)に沿って、散歩を続けよう」
「参りましょう」

「といいながら、川を離れて、メインの通りから一つ奥へ入った所にある、本住寺
「大家さんは寺社めぐりをやっています。5年間で国内200を回ります……で、この寺はどういう由緒があるんですか」
「分からない」
「いい加減なのはお許し下さい」

碑22……このお寺にある京極杞陽の句碑」

  整ひて梅雨の湯町の寺らしく

「なるほど、ここにふさわしい作品ですねえ」

温泉3……柳湯。前の地蔵湯からまっすぐ来れば275m」
「文字通り柳がありますね」
「お湯質はここが一番良かった。いかにも温泉という湯触りで、上がってからもすべすべ感があったぞ……見ろ、この美しさ」
「いらない、いらない」

碑5……柳湯の足湯前にある富田砕花の歌碑」

  城崎のいでゆのまちの秋まひる青くして散る柳はらはら

「柳を詠んだ歌ですね」

「この先が間もなく一の湯じゃが、その手前に足湯がある」
「はい、碑が見えますが……」
「こちらで最初に湧き出た温泉という『海内第一泉』と読めるな。実はこの柱の奥に与謝野寛・晶子夫婦の碑が見えるのじゃが」
「側に行きましょう」

碑6……与謝野寛・晶子の碑」
「暗いようですが」
「寛の文字版が鏡のように景色を写すので、夜になってから撮影のために出直した」

  ひと夜のみねて城の崎の湯の香りにもほのかに染むこころかな  与謝野寛
  日没を円山川に見てもなほ夜明けめきたく城の崎くれば      与謝野晶子

「夫婦で色々な所に行っていますね」
「有名な温泉には必ず碑があるね」
「へえ」

温泉4……さあ、角を曲がると一の湯
「これは大きいようですが」
「目の前で道が交差する中心なので、こういう写真も撮れる」
「へえ」

「ここは洞窟風呂。さっき碑があったように最初に湧いた温泉ということで一の湯の名がある。志賀直哉の『城の崎にて』に登場するのはここのみ」
「あ、そうなんだ」
直哉の宿は川沿いではない。川はここから中心の道の裏を流れる。直哉の部屋から見えたかも知れないが……直哉は宿から、前回紹介した丸山公園に行こうとして、ここから川沿いになると紹介している」
「なるほど」
「ところが、途中で川の鼠を狙って石を投げる人達に出逢い、命について考えるということになる訳じゃ」
「はい」
「ずっと川を覗きながら来たが、鼠の死骸は見つからなかった」
「……でしょうね」
「ということで、後はまた次回」
「はい、続きます」

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