RRB東京散歩(秋葉原〜日本橋):その21「人形町から水天宮へ」

「さあ、人形町交差点を出発じゃ」
「地図の丸印です……このまま西に行けば日本橋に出て、寄席でしょう……もう生きましょうよ」

「はい、交差点から120m、地図で丸1、こちらは大観音寺。菩薩様が祀られておる。何と鉄で作られたので鉄造菩薩という。鎌倉にあった観音様なのじゃが、火事で焼け、江戸時代になってから鶴岡八幡宮前から掘り出され、明治になってからこちらに移った」
「歴史がありますね」

「これがその菩薩様……頭部だけは後で造られた物じゃ」
「はい」

「こちらから130m」
「地図の丸2ですね……ここは」
谷崎潤一郎が生まれたのがここ」
「作家ですね」
「本名。生まれたのが明治19年7月24日じゃが、これがちょうど閏月の一日にあたるというのでその名が付いたという」
「ほう」

「さあ、100m歩いて、さっきの通りへ出よう」
「また戻るの……これ、今回のシリーズで秋葉原から来たら一本道ですよね」
「地図の丸3甘酒横町の交差点じゃ」
「ここには何があるんです」
「何も」
「え……」
「名前が面白いというだけで」
「何だ」

「こちらは交差点から120m。落語時計じゃ」
「地図丸4ですが……落語ですか」
「左から魚屋、大工、右は女の子を送る様子、裏には左から絵双紙屋、寿司屋、反物屋が描かれてる」
「なるほど」

「はい、こちらが側面の噺家さん」
「色々な物がありますねえ」
「ということで、次回は水天宮へ参ります」

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