RRB東京散歩(日暮里〜上野):その14「中央通り」

「さて、不忍池、弁天様から池をぐるっと回った」
「また、よく歩きましたね……地図では上の○印まで来ています」
「上野の駅前、碑のあった商店街から、地図○印にある上野公園入り口の下町風俗館まで400m。弁天様を通る池を一巡り(本当は半分)で1キロ……を、ちょっとオーバーするかも知れない」
「大変ですね」
「で、中央通りに戻って南へ進みます」
「ここはただ歩くだけ」
「とんでもない。この通りこそ今日のメイン……ここは寄席街道と呼ばれているのじゃ」
「本当ですか」
「今作った」
「何だい」
「落語寺と呼んだ本法寺、寄席発祥の地、稲荷町の下谷神社から、上野駅前でぐっと曲がって、こちらへつながる。当然の名前じゃないか」
「まあ、いいです。行きましょう」

「まずは地図@にあるのが上野鈴本演芸場
落語協会の定席です」
「マイクになって音がひどい。余り好きではないなあ」
「はい、我が儘です……そう言いながら、何度も通っています」

「次の交差点地図Aにあるのがお江戸広小路亭
「こちらは落語芸術協会の定席。座布団席で生の声がお勧めですね」
「ここが広小路の交差点。地下鉄上野広小路駅、JRでは御徒町駅から出たところじゃ」
「鉄道では便利な場所です」

上野公園から交差点まで250m、更に180mほど進むと右手に交番と公園がある。ここを右に曲がると、の字が横になっている音楽堂という看板が見える。その角を曲がった所ににあるのが講談の本牧亭、看板の文字は遠藤周作」
「へえ」

「その奥、右に曲がると落語協会の事務所。地図Bじゃ。この2階が練習場になっているが、黒門亭として落語会も開催される。40人で満員、わしが来たのでお膝送りをお願いしたことが一度だけあるが、狭いのでマイクなし。生の声が聞けるぞ」
「いいですね」

「中央通りへ戻りました。地図C、広小路交差点からまっすぐ来れば430m。ここにあるのが喫茶店発祥の地
「日本最初の喫茶店ですか」
「1888(明治21)年に出来た、可否茶館という……実は岡山最初の喫茶店は、わしの爺さんら俳句仲間が作ったそうじゃ」
「はい、ここではどうでもいい話題」
「この中央通りをまっつぐ進むと、秋葉原を抜け、神田駅の下を通って日本橋まで。今日の最終目的地は日本橋の手前。地下鉄では三越前新日本橋)に近い、お江戸日本橋亭
「なるほど、そこまで一本道で行けるから、寄席街道ってんだ」
不忍池からまーっつぐで、2.7km」
「うえ……歩くつもりですか」
「わしはパズル・ショップに寄るので、ここから昭和通りへ出る」

「寄り道ですか……何キロ歩くことになるやら」
「地図が縦長になるので、今回は2枚。左のAマークがさっきの喫茶店発祥の地から南へ150mほど下った地下鉄末広町駅」
「ねえ、浅草辺りから1本なのに、歩いているんです」
「東へ進み、線路と高速を越えて、Dの所にあるのがパズルショップTORITO
「今回はご紹介だけ」

地図B秋葉原駅なのじゃが、そのまま昭和通りを歩いて和泉橋を渡りました」
「これが地図のE神田川ですね」
「向こうの方に見えるのが山手線、京浜東北線の電車、その向こうが中央通り(落語街道)じゃ」
「はい」

「ここは藤堂和泉守(とうどういずみのかみ)の屋敷があったので地名も和泉と呼ばれていた。橋は何度も架け替えられているが、現在のは1927(昭和2)年のもの。長さ35.8m、幅44m」
「さあ、まだ歩きますか」
「今日ご紹介したコースは、上野公園からこのまで、ちょうど2kmくらいでございます」
日暮里から上野までってタイトルでやって来たんですよね……もう通り過ぎましたよ」
「はい、ここまでで第1部完了。地図では6.85kmくらいを歩きました」
「やれやれ……って、第1部ということは……」
「はい、次回から第2部、秋葉原から日本橋までという新シリーズになります」
「まだ続くのかよ」

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