RRB東京散歩(日暮里〜上野):その13「不忍池」

「さあ、RRB散歩、いよいよ第1章の終着が近付いた」
「だらだらと長いから、読む方も大変で……」
「前回の文学碑、地図一番右の○印から出発して、不忍池を回る」
「はいはい、行きましょう」

「お馴染みアメ横地図@は商店街の中心になるオブジェだが、ご覧の通り物置変わりにされている」
「可愛そうですね」
「まあ、アメ横には気遣いはないと思っていい……年末になると買い出しで有名だが、実際には……」
「駄目ですか」
塩鮭などは産卵を終えてゲッソリした物を使っているから安いの。本当にいい物を手に入れるなら、お店の主人と親しくなって、やはり相当の値段を覚悟すること……今度は普通のお店よりもちょっと高く感じるじゃろうが、品物は桁が違うぞ」
「はい、普通の買い物をする場所ではないということです」

地図Dを経由してもいいが、18禁の映画館脇から抜けるのが一般的。不忍池はちょうど蓮の花が咲く季節」
「いいですね」
「春桜の季節の水に映る景色もいい、それから夏の蓮、秋になると枯れて、冬が終わる頃にはこれを取ってほとりに積んであるのが見物じゃ」
「へえ」

「はい、アップで」
「いいですね」

「もう一枚。言うまでもないが、花をメインとするなら、朝一番に来ること」
「もうお昼ですからねえ」

不忍池弁財天の回りにはが沢山。今日のメインはここなのじゃ」
「全部メインですよ」
「まずは地図のA、弁天道へ渡る手前にある駅伝の碑
「駅伝がここから始まったんですね」
「ま、どうでもいいのじゃが、向こうに弁天堂が見えるから面白いかなって……」
「いい加減な理由」
「右側池の中に白い看板が見えるかな」
「え……はい」
「これはつりを禁止したもの。落語『上野の釣り(唖の釣り)』で殺生禁断の場と紹介されるが、今でもそうなのじゃ」
「ううん……無理に落語と結びつけているな」

「ここから島へ渡った所にある不忍池の碑
「はい、やはりこれが出ないとね」

「続いてはめがね之碑
「これも目につく所にあるからお馴染みですね」
「そう。明治百年を記念して作られたものじゃが、めがねが日本に来たのは420余年前と書かれている」
「はい……あれ……」
「明治百年からもう40年以上経っているから、碑を作る時に考えなかったのじゃろうなあ」
「書き換えないとね……出来ないなあ」

「文学散歩としては利行の碑……左が熊谷守一の文字、右は有島生馬の字で二首が書かれている」

  人知れず朽ちも果つべき身一つのいまがいとほし涙拭はず
  己が身の影もとどめず水すまし河の流れを光りてすべる

「右は地図Bにある本堂脇の琵琶の碑。明治19年に楽器店の店主らが奉納したという」
「歴史があるんだ」
「後は省略するが、芸能関係では、八橋検校顕彰碑いと塚扇塚がある」
「はい」
料理の関係ではスッポン感謝碑ふく供養碑(岸信介)、魚塚鳥塚(東龍太郎)、包丁塚板塚
「沢山ありますね」
「料亭はやはり上野がメインじゃから」
「因みに、括弧に入っているのは字を書いた人の名前です」
その他の碑として、暦塚(中曽根康弘)、東京自動車三十年会記念碑真友の碑幕松之剣豪櫛淵虚沖(本当はニスイ)軒之碑……後幾つか工事中のため見られなかった」
「すごい数ですね」
「一応ウィキペディアを利用することもあるが、今年になって8つの明らかなミスを見付けた」
「じゃあ修正しないと」
「しかし、他人の書いたものを直すのは何だか嫌らしくて……ミスではないが、落語がすごい。どうしてあんな面白い落語をあれだけ詰まらなく書けるのだろう……読むといらいらしてくるので読まない方がお勧め」
「はいはい」
「実は歴史的にも最も重要と思われるのが、左の写真にある松尾芭蕉の碑
「へえ」
「それがウィキペディアの碑一覧には入っていない」
「あら……」
「まあ、数えてみれば分かる。ここで並べただけでも20を越えるのに、13しか紹介されていないのじゃ。ひどいものじゃな」
「はいはい、いいからを鑑賞しましょう」
「実は本堂の周りが工事中で、横から裏に掛けては立ち入り禁止」
「残念ですね」
「まあ、写真の芭蕉翁の碑は文学関係じゃから、何としても撮りたいというので、工事現場の人と交渉して入らせてもらった」
「やりますねえ。また迷惑を掛けているな」
「という訳で今日のメインがこれ。寛政年間に出来たものと伝わる」
「へえ、古いんだ」
「と思うのじゃが……」

  上野不忍生池印境内に在
  碑面の外二文字無之
  寛政年中東都獅子門白寿坊信我建ト云
(『広茗荷集』:1826(文政9)年)

「残念ながら資料がこれぎり……信憑性に疑問」
「はい、20個以上ある碑ですが、その一部のみご紹介しました」
「さあ、これから蓮を観賞しつつ散策。弁天堂の裏手からCへ出て、地図で白く見える音楽堂を経由、Dの上野下町風俗館まで戻りました」
「これでこのシリーズ完結ですね」
「次回は中央通りを進みます」
「え、まだあるの」

14:中央通りへ進む     表紙へ戻る     12:上野駅周辺へ戻る

inserted by FC2 system