1月22日 桂夏丸研究会

「さて、今年3つめの落語会は土曜日、落語カフェで行われた『桂夏丸研究会』」
「そのまんまのタイトルですね」
「『落語研究会』はあるが、個人名をつけた『研究会』という落語会がないので、そこに目を付けたのじゃ」
「ほう」
「昨年行われていた『品格のある落語会』が変化したもの」
「どう変わったんですか」
「ううん……タイトルが」
「中身は変わらないんですか」
「ということで、芸協二ツ目の桂夏丸君の会でございます」
「出し物は」
「前座時代によく演っていた『英会話』」
「懐かしい演目ですね」
円右に教わった時に本人の作ということだった。わしのHPにもそのように説明しているのだが、寿輔師匠はそれは嘘だと言っている。どうもよく分からない。CDでは100円CDに梅橋の録音が残っている」
「はい。で、夏丸君は」
「前座時代よりはるかに面白い。ツボを心得ているということかな。ちょっとした仕種に新しさも見えた」
「二席目は」
「円朝の『江島屋怪談』。今輔志ん生の録音があるが、少し手順が違うな。歌丸師匠が磨いたものじゃろう」
「手順は違っても粗筋は同じ」
「そういうことじゃ。前半でぞっとさせ、後半だんだん怪談として盛り上げる……いいねえ」
「さて、仲入り後の三席目は」
「『課長の犬』」
「また珍しい演目ですね」
春風亭柳昇の作品。昇太君はこれを教えてくれと言ったが、師匠から、お前は新作なら自分で作れということで教えてもらえなかったと言う」
「みんな演りたいんですかねえ」
「面白いからなあ。飄々とした柳昇だからいいといわれていたが、どうしてどうして、ちゃんとした落語じゃないか」
「今回はみんないいですね」
「そうじゃな。ただ、客の方も夏丸をよく聞いているレギュラーが多いから、まだまだ磨かれなければならないのじゃ」
「はい、まだ成長します」

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