1月15日 三平堂落語会:三平襲名披露

「さて、今日は仕事を終えてから三平堂落語会へ」
「お忙しいこって」
「こちらの来訪は3度目。落語会は2度目」
はい、参りましょう」
「前座が出るという予告があったが、省略。全員が真打という会になったぞ」
「それはまたすごい」
「もちろん、三平堂三平襲名じゃから大入になる。満員を越える入りで、最後に入った人は物陰だというのでいきなり膝送り」
「すごいですねえ。全員が林家なので、亭号は省略。まずは錦平
「出し物は『片棒』。マクラから本筋へという流れがいいので客席も落ち着き、盛り上がった」
「いいですね。鉄平
「『初天神』。子供が悪いが憎々しくないからいいな」
たい平
「『やぶ入り』。テレビの人気者だから客席でもほめていたが……まあ、それなりの出来。ちょっと子供を作り過ぎているような感じを得た。もっと自然でいいかな」
「さあ、仲入り後は二代林家三平襲名披露口上
「写真は夏ですね」
「恒例の円朝祭り。これが一昨年、三平を襲名した時のもの。サイン色紙でいっ平と三平とセットで持っている」
「一昨年から続いていているんですか」
「一応この会が最終回。どうしても日程が合わなかったのじゃ」
「はい、で、中身は」
「司会はたい平。並んだのは出演者ともう一人源平。中身は支離滅裂。錦平三平のお陰でテレビの仕事が入り、ドラマの出演者として新聞にも名前が載った。その後親戚が『絶対見るよ』と言っていたが、放映後には『どこに出てたの』……ともかく海外遠征など、仕事を回してくれというお願い」
「そっちが先輩でしょう」
鉄平はこの三平が3歳の時に入門。初代三平のベンツを運転していたが、急ブレーキでこの三平を転がした謝罪会見」
「あらら」
種平は、初代三平が弟子の名前を出身地で、種平・とんでん平・せん平……といい加減に付けたという話」
三平一門の名前はねえ……パーとかペーとかひどいのがありますから」
「それで一門の大きな名前は正蔵と三平しかないのに、初代三平の息子が2人いるので回ってこないという愚痴。それに襲名披露を武道館でやったが、それに数億円掛かった……まあ、この地下室に札束があるから……」
「噺家らしいお話」
源平は初代三平の家に住み込んでいて、この三平が産まれた時に電話を受けたという。それが『逓信病院です。男でした』というのを聞き、初代三平に、『おかみさんが精神病院で男になりました』と伝えたという」
「……襲名した三平についての話題でしょうが……ずれていますね」
「ま、こんなものじゃろう」
「続いて種平
桂三枝作の『妻の旅行』。まだこなれていないという言い訳をしながら旅のマクラから導入……どうしてどうして、しっかり東京落語になっているじゃないか。上出来」
「さあ、トリは二代三平
「『井戸の茶碗』。ちょっと説明が丁寧すぎてテンポに欠ける感じがあったが、その丁寧さが何よりという一席じゃったな。人物を丁寧に。正直正兵衛といわれた男が金を持ち逃げしようと考えるのは必要ないんじゃないかなあ」
「まあ、どうでもいい細かなひっかかりはあるようですが」
「すばらしい、2時間を過ごしました」
「左の図は」
襲名記念のタオル
「手拭いじゃないんですか」
「そこが若々しい三平らしいじゃないか……って、本当は作った手拭いがなくなったんじゃろうな」
「あらら」

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