12月30日 鶯歌燕舞演奏会

「こうして、今年の予定もいよいよ最後」
「はい、オルガンに続いて三越天女像の前ですね」
「前に琴が2台置かれているのに気付くじゃろう」
「あ、本当だ」
「NHKの中国語講座でお馴染みの双子の姉妹、鶯と燕の琴の演奏会なのじゃ」
「まあ、こういう場所ですから、簡単な演奏会と相成ります」

鶯と燕というのは本名らしいな。中国の言葉は漢文でご存知の通り、『鶯歌燕舞』という四字熟語なのに、後ろの看板は『鶯花燕舞』となっていた」
「『歌』が『花』ですか」
「同じ音じゃから……って、間違える意味が分からない」
「人生には分からないことも起こるのです」

「写真左紫の服が姉の、右の白い服が妹の……モノクロでご覧の方は区別が付かない……」
「今時そんなパソコンないですよ」
「曲は『心に舞う花』、『記憶』、『未来への足音』、『大地の響』、最後に中国古典の『戦台風』。心花の演奏を聞いて間がないが、いずれも両手の使い方が面白いね。わしが箏曲を教えていた時は、まあ素人じゃから右手で弾くだけが当たり前じゃった」
「さすがプロ、本物ってことですかねえ」
 「もう一つこの二人の演奏の面白さは、リズムを取るのに手が挙がる……あのMODEA聡子ちゃんが同じような動きをやっているな……今度演奏会の写真で比べてみて下さい」
「生演奏ならではの面白さですね。写真ではそのポーズは見えませんが……」
「当然じゃ。写真撮影、録音は禁止されておる」
「え……じゃあ、この写真は……またやったんですか」
『俺を誰だと思っているんだ』って」
「やっぱり」

「はい、左がお二人のCD『鶯歌燕舞』、今回の演奏会と同じ題名」
「右は」
「『Asian Relax』というオムニバスCD。
倉本裕基さんの『霧のレイクルイーズ』のヴァイオリンとの競演版などが収録されている」
「CDもいいですね」
「でもやはり生演奏なのじゃよ。落語も録音が売れているが、生と比較すると間が全然違うから……まず面白いということはないな。声も違う。まあ最近は寄席でもマイクを使っているから、どうでもいいのかな」
「また文句たらたらでございます」
「そういうことで、今年最後の演奏会は、時間も30分くらい、無料というものでございます」
「変な締めくくり」

「お正月を迎える準備ですね」

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