12月22日 TWO

「やって来ました。今年最後の落語会」
「大変でしたね」
「今年は真打昇進披露宴、芸協のらくごまつり、落協の円朝祭りなどを含むが、落語関係のイベントに45回参加した」
「月4つに少し足りません」
「さあ、今年最後の落語会は落語カフェの『TWO』」
「これも4回目ですね」
「第1回に行ったが、2回目は体をこわして、3回目は仕事の関係で行けなかったのじゃ」
「はい。解説をお願いします。『TWO』というのは」
「落語協会の2003年入門が10人いて、前回のろべえこみち、期待の菊六馬るこなど……それに対して芸協に1人、円楽一門にも1人、立川流には1人もいない」
「随分人数が違いますね」
「その落協の10人が『TEN』というグループで会を行っているのじゃ。それに対して芸協の桂夏丸と円楽一門の三遊亭きつつきの二人が、結成したのが『TWO』という訳じゃ」
「はい。では参りましょう」
「まずは夏丸の『粗忽長屋』。マクラがひどいな」
「ひどいですか」
「きつつきの今日の体調、帯を忘れたことを全て暴露、それから例によって歌」
「あらら」
「いやあ、大笑いじゃ」
「受けているんですか」
「それでネタに入ったが、気の長い野郎がカラオケファンというので、また一曲」
「すごいですね」
「テンポよく進んでいくのも気持ちがいい。後はどこかにアクセントが欲しいかな。★★★☆☆
「続いてきつつき
夏丸の暴露に対して、TWO解散を検討していることを告白」
「続きですね……仲が悪いんですか」
「それがおかしいな。第1回から、TENへのライバル意識を出したが、人数では勝てない。喧嘩をしても、馬るこ一人でも相手に出来ない。夏丸は全く喧嘩出来そうにないし……って……」
「まあ勝ち目がないってことですか」
「出し物は『風呂敷』。逆上して目がくらむ女房がおかしい……が、ちょっと行き過ぎかな。筋道は同じなのに、きつつきが演じると、おかしい人が本当におかしいんじゃないかって……時々、本人がどうかしちゃったんじゃないかって思うこともある」
「ほめているのかけなしているのか分からないね」
「まあ、一応ほめている。★★★☆☆
「ここでお仲入り」
きつつきの二席目は『反対俥』。これまた普通の演出と違って、最初の車夫も威勢がいい」
「へえ……珍しいですね」
「まあ、もちろん威勢がいいのは口だけで、体は全く動かないという……その違いが実におかしい」
「はい」
「それから二人目の車夫はお馴染みの通り……夏丸が、シャワーを浴びたのかと思ったという汗だくの熱演……夏丸のもう一言『こうなると、熱演というよりバカですよ』……ううん、その通り……★★★☆☆
夏丸の二席目」
「『質屋蔵』。席亭曰く、今一番歌丸師匠の雰囲気に似ている……この噺もそうなのじゃが、歌丸師匠に習ったもので、その調子が残っているなあ。しかし、そこに若さもあり、新しいものもあり、自分の物にしていっている」
「じゃあいいですね」
★★★★☆じゃな」
「満点じゃないですか」
「この若さで満点では、もう成長しないということになるじゃないか。まだ磨く部分もある。そういう期待を込めて」
「はい、今年最後の落語会」
「大満足の一日でございました」

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