11月21日 土浦を行く:その1「駅から桜川、市役所まで」

「さて、今日はお仕事でお寺へ」
「何です。化けて出ようってんですか」
「いやいや、法話をしに……」
「大家さんが法話をするんじゃ、世も末だね」
「落語は法話から生まれたという説もある。おかしくはないじゃろう」
「はいはい、参りましょう」
土浦駅の外へ出てから300mで桜川へ出ます。写真は叶(かのう)地蔵尊。1820(文政3)年の建立という。土浦の花火大会の時にはこの土手沿いの道に屋台が並び、人が一杯で、最初の橋まであと200mじゃが、わずか500mを進むのに20分はみておくこと」
「はい、普段はガラガラです」

「こちらはその最初の橋から鉄橋の方を振り返って……桜川じゃから、秋は秋桜が植えられる。春はこの反対方向(川上)と、鉄橋の向こう側で桜が咲くぞ」
「はい、季節に合わせてお楽しみ下さい」
「右の写真、こちらは土浦市役所の下にある面白い道」
「どこがですか……普通じゃないですか」
「止まれって書いてあるが、写真の左は民家なのじゃ」
「それが……」

「はい、こちらが反対側」
「……あれ……奥の方が通行止めになっていますね」
「そう。つまり、絶対に車は来ないのじゃ。つまり、隣のお宅が自家用車を入れて駐車場に出来るじゃろうが、『止まれ』という言葉が意味をなさない」
「不思議ですね」
「ここまで、一方通行なのに、反対車線の停止線がある横断歩道、信号の時差で、車がまだ走っている間に青になり、車が通過し終わる頃には赤になるという横断歩道がある。土浦の三つの不思議な道の一つじゃ」
「どうでもいい話題」
「さて、ここから上がると市役所じゃが、土浦駅から1.5キロに足りないくらい」
「また歩いていますね」
「100円バスもあるのじゃが、タイミングが合わなくて」
「はいはい」
「これから市役所前を通って常福寺へ参ります」

2:常福寺へ進む       表紙へ戻る

inserted by FC2 system