11月14日 下妻を行く:その6「大宝八幡宮・その他の建造物」

「さあ大宝八幡宮の建物以外の建造物をご紹介」
「参りましょう」
「まずは今の時期だけ展示されている。碁盤じゃ」
「何です、これ」
「七五三のお祝いに、ここに乗って飛び降りるという風習がある」
「へえ」

「これは鐘楼じゃが、前のが問題。万葉仮名で書かれているからそのまま読める。
  つくはねのさゆるのはなのゆとこにもかなしけいもそひるもかなしけ
  (筑波嶺の小百合の花の夜床にもかなしけ妹そ昼もかなしけ)
 もちろん『万葉集』にある歌(4369)じゃな。言葉使いから東歌(あづまうた)と分かる」
「へえ……大家さんは昔酷悟の狂飲をやってました」
「おい、『こくごのきょういん』という漢字が違っている。狂うほど飲むのは今の職業じゃ」
「あ、すみません」
「最後に『孝書』とあるから、犬飼孝先生の字ということじゃな。看板で立てればいいのに、何も解説がついていない」
「とりあえず今回は文学散歩ですね」
「右の写真はお釜
「なぜ」
「さあ」
「いい加減」
「明日は境内の石と樹木をご紹介」
「え……まだ続くんだってさ」

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