10月18日 日本の象牙彫刻展

「さて、18日で終わったが、日本橋高島屋で開催された、日本の象牙彫刻展をご紹介」
「これも毎年恒例ですが……」
「噺家桂夏丸君のお父上が、文部科学大臣賞を受賞……ということで、お祝いを持参して……」
「へえ……こういう時は何を持っていくんです」
「駄菓子」
「……適当な大家さんらしいね」

「こちらがその受賞作の『初夢』。茄子の中に富士山と鷹が彫られている」
「手が込んでいますね」
「細かい部分は見ていて感動するな。わしには絶対に出来ないじゃろう」
「そうですね、不精者ですから」
「右は根付けの『告白』という作品。黒熊が白熊に鮭をプレゼントしている」
「熊の鯉ですか……色違いですね」
「黒と白で『こくはく』じゃ」
「洒落かよ」
「さすがに噺家のお父上じゃな。洒落も洒落ている」
「その洒落は洒落ていない」

「こちらも根付けで『感動の珍客』。写真に写っている部分はウサギが餅をついている部分」
「お月様ですね」
「そう。裏にはロケットが刺さっている」
「……それが珍客ですか……これも洒落ですか」
「そう。月に着き、餅をつき……」
「すごい」
「右の画像はチラシ。題字もお父上の作品」
「字も書けるんですか」
「そう。漢字もちゃんと書ける」
「多彩ですねえ」
「ということで、せっかくだから一緒に一杯やりましょうって誘うところじゃが、この日は午後墓参りを予定しておったので……」
「本当に忙しい人ですね」


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