10月17日 小天狗よったり会

「さて、落語芸術協会らくごまつりを途中で切り上げて、神楽坂へ」
「こちらの写真は」
毘沙門天。この境内で、天狗連の会、小天狗よったり会が開催される」
「天狗連というと、素人ですね」
「そう。小天狗といいながらそこそこの年齢の人達」
「右の写真は高座ですか」
「はい、いつも寄席などで顔なじみの方でして」
「中身はいかがでした」
「そう、正直うまい。本物の寄席よりもレベルが高かったなあ。その後の打上で、問題点は指摘したが……それにしても落語というのはすごい世界じゃな」
「プロより上というのはねえ」
「まあ、実はどの世界にもあるのじゃ。ただ、歌舞伎のように舞台や何かを準備できない。それが落語の場合との違い、大衆芸能ではないということなのじゃろうか……それはいずれ考察しよう」
「で、出し物は」
「写真右上のぬたり亭津久蔵で『つる』。
 橘ノ百圓の『強情灸』。上方落語にある型で、東京ではあまり聞かない。久し振りじゃ。
 柳花楼扇生の『三十石』。歌もあるが、楽屋の歌声が小さいな。三日月が出てくるのはあり得ない。
 仲入り後はめずらし家芝楽の『錦の袈裟』。最後のでれでれとなった与太郎の描写がもっと欲しい。
 福岡民江の俗曲『江戸の唄』。
 トリは津久蔵の二席目で『御慶』。売り手とのやりとり、易者、当選まで、たっぷりと演じ、後半はお正月の華やかな雰囲気。『御慶』という挨拶が『どけえ』と聞こえるのが難しい」
「はい、ということで……」
「左上の写真は終演後の毘沙門天。これから飲み会に……」
「やっぱり、そっちが目当てですか」

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