10月10日 早朝寄席

「今日は2010年10月10日」
「すごい。3つ並びですね」
「まずは早朝寄席
「例によって大忙しの大変な1日が展開いたします」
「まずは柳家小太郎で『欠伸指南』」
「このところ二ツ目がよく演じていますね」
「そうじゃな。古今亭菊六柳家ろべえがほぼ同じ手順。女目当てでやって来るのじゃが、小太郎のは純粋に欠伸をやってみようとする」
「手順が違いますね」
「今日のはどうかな……欠伸の先生の品がないな。やはり指南所を構えて教えようというのじゃから、だらしない欠伸に見えてはならない。品良く欠伸をすることを課題としよう」
「難しいですね。続いては鈴々舎馬るこ
「先日聞いた『新浮世床』。婆さんが集まる温泉施設だから『新浮世風呂』だが、内容は『浮世床』の夢だから……」
「どっちだって言ってましたね」
「結果は分かっているが、念のため本人に確認したところ、やはり原作が重視されて『新浮世床』ということじゃ。ともかく婆さんの生態がよく描かれていておかしい作品。婆さんを描いた上方落語が品では落ちるなあ。上出来の作品」
入船亭遊一
「『目黒の秋刀魚』。若い殿様で、少々わがままさがあるものの、悪い主君ではない。そういう殿様をよく描いている。品のない殿様を聞くことが多かったので、上々じゃな」
「さあ、トリは川柳つくし
「『接待ゴルフ』。新人の女の子が先輩にゴルフをおそわって代理で接待に行くが、ビギナーズラックを連発して相手がかんかん」
「女性が主人公というのは、女性噺家のパターンとして定着しますか」
「ありだろうな……それでも上手下手は分かれるから」
「厳しいね」
「演出で実物を出して道具噺としたのは目新しい。ドライバーってねじ回し、スプーンはさじ、サンドウェッジがサンドイッチ……見え見えだが、これはまあいいか」
「これはって、他に問題がありますか」
「高座で立って打つのを見せた。そこはそれで面白いが、噺に戻るのに座らなければならない。立ったり座ったりが落ち着かないし、気品がなくなるな。それなら漫談風に立ちっ放しの方がいい。」
「はい、噺そのものは」
「さっき述べたとおり、女性噺家のひとつの形として」
「はい、これで早朝寄席はおしまい。品を失ってはならないというテーマになりました」
「これからパズルショップtoritoでイベント関連グッズを購入、昼食を食べて、そのまま神田から神保町辺りをひやかして、古書店4軒で物色、代々木へ出ます。ここから本屋3軒とCDショップ2軒をハシゴ」
「はい、忙しい一日です」
「これらは報告するほどでもないので……」
新宿末廣亭の夜席へ参りましょう」

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