市川を行く:その2「法華経寺」

魁偉美術館の裏側へ回ると、法華経寺がある」
「仏像が出ていますよ」
「看板にある通り、勧進を勧めるために造られたもの」
「勧進って、何です」
「寺社などの修復費用を寄付してくれってことじゃ。歌舞伎の『勧進帳』というのも、そのような目的で諸国を回る坊さんに化けていたということじゃな」
「そうなんですか」

「こちらは細石(さざれいし)」
「またまた……それ、何ですか」
「『君が代』にも歌われているじゃろう。粘着力のある成分で、小石がくっついて、やがて大きな岩となる」
「あら、本当に大きくなるんだ」
「この石は『君が代』が詠まれたといわれる岐阜から持ってきたもの」
「面白いですね」
「右に出ているのは……」
五重塔ですね」
「あ、よく分かったなあ」
「誰でも分かりますよ」
「江戸時代の初めに建てられたものだそうじゃ。一番上だけが造りが違うが、明治末年の修復の時に変えられたものらしいな」
「はい、次へ参りましょう」

本堂。実は魁偉美術館から回ったので、裏から入った。この本堂の脇からぐるっと回ったのじゃ」
「はい」

本堂を遠望」
「やっぱりどんどん説明が手抜きになります」

五重塔を振り返る」
「芸術写真を狙っているな」

「はい、山門でおしまい」
「本当はこちらが入口なんですね」
下総中山駅から、京成中山駅を通ってまっすぐ来ればここに至る」
「はい、じゃあ、駅に行きますか」
「駅へ行くが、その途中でもう一つ寄り道を」
「あら、まだあります」

3:清華園へ進む     表紙へ戻る     1:東山魁偉美術館へ戻る

inserted by FC2 system