8月28日 江東落語会

「さあ、今日は東陽町の江東落語会
「この場所は行くのも大変ですね」
「圓朝まつりのくじで招待券が当たったのじゃ。圓朝まつりでいただいた招待券で幾つも行かなければならないから大変じゃ」
「うれしい悲鳴ですね」
「最初の写真は会場」
「どうでもいい写真です」
「さて、演じている場面は許可をもらわないと公開出来ないのでいずれ」
「さて、登場するのは」
「前座として立川こはる。可愛い男の子」
「あら、子供ですか」
「実は女性なのじゃ……告白しないで話していたら分からない人もいるじゃろう」
「写真のないのは残念」
「出し物は『真田小僧』。円楽一門と立川流は要注意。ちょっとしたところであっと思うような新しさを入れているぞ。がっかりする人もいるのは確かじゃが」
「で、この一席は」
「期待通りじゃが、最後で回りくどかったな。女房が聞いて、少し話をしてから『聞きたかったら』落ちはなあ……まあ、色々工夫されるじゃろう」
「はい、今日は圓朝まつりで券が当たったと言いますが」
柳家喬の字の会なのじゃ」
「写真右」
「その一席目で『強情灸』。仕草が実に面白いということが見えた。素晴らしい一席」
「続いては隅田川馬石
「今日は怪談の会。『真景累ヶ淵』より『豊志賀の死』。前半を端折って病みついてから死までをじっくり。いいな。一つだけ疑問に思うのは、豊志賀が来ていて駕籠に乗せたなどと説明すると、みんなが幽霊だと知ってしまう。ここは勘蔵と新吉以外は分からないという演出がいいのではないかなあ」
「はい、更なる研究をして下さい」
「ここでお仲入り」
「左の写真では舞台が代わりましたね」
「講釈の台が出て、宝井琴柑ちゃんの登場じゃ」
「行徳落語会に出ていた女性講釈師ですね」
「この釈台は手作りなのじゃ。折り畳みが出来る」
「工夫していますね」
「『塚原卜伝』の逸話。内容は落語の『巌流島』。いい調子で進んだから、落ちがなくても良かったかな。テンポがいいね」
「はい、最後は喬の字の二席目」
「『もう半分』。夏丸君が演じているのは前の今輔の系統。喬の字はかなり演出が違う」
「どういう違いですか」
「例えば、夏丸型は飲み屋で爺さんが飲むところをじっくり描く。喬の字型は店を閉めた後に爺さんが来て直接応対」
夏丸型では、他の客もいるんですね」
「そう。だから忘れ物に戻ると、店でまぎれて分からないというのも言い訳が立つ。一方喬の字型では他に客がいないのだから、忘れ物がまぎれる可能性は絶対にない」
「あら、ではストーリーが違って来ますね」
「そう。夏丸型は爺さんが自殺、喬の字型は店の主人が追って殺してしまう」
「あら、大きな違い」
「ストーリーとしては夏丸型が説得力がある。これに対して喬の字型は、殺し場が芝居掛かりになる」
「面白いですね。で、どちらがいいんですか」
「分からない。一つは、自ら殺してしまった爺さんと同じ顔の赤ん坊を育てようと思うじゃろうか。その点では夏丸型が筋は通っている」
「なるほど」
「もう一つ、今日は最初から怪談という会じゃった。夏丸君は怪談とは明かさずに語るので、前半の台詞『もう半分』の繰り返しが笑いになる。後からじわじわと怖くなるのもいいかな」
「ということで、落語会のご報告でございます」
「写真は会場から見えた東京スカイツリー
「このところ、東京スカイツリーを見る機会が多いですね」
「今度並べてみよう」
「はい、楽しみに」

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