8月28日 千住・吉原・浅草を行く:その7「吉原」

「今日は千住から浅草への散策をご報告。北千住駅からずっと歩いてきたが、いよいよ吉原へ突入」
「参りましょう」
「まずいいねえというのが、一八寿司
「落語に出てくる幇間(たいこもち)の名前ですね」
「二八蕎麦という名前もあるから、一皿18円かな……かけ算で8円か、80円か……」
「勝手に値段を決めないの」
泪橋から700mで吉原大門の交差点に到着。スタートの北千住駅から合計3.8キロ」
「よく歩きましたね」
「さあ、ここには名物がある」
「はい、知ってます」

「はい、この看板
「え……」
歩行者の寝込みってのが笑える」
「大家さん、名物は看板じゃないでしょう」
「はい、写真右。こちらが本当の名物。見返り柳。遊び帰りの客がここで振り返ったというな。
  きぬぎぬのうしろ髪ひく柳かな
  見返れば意見か柳顔をうち
 などの川柳が残る。本当は山谷堀の土手にあったが、ここへ移され、関東大震災や空襲で焼け、何度も植え替えられたものじゃ」
「寂しいですね」

「上の写真が大門跡。交番があるのは落語『明烏』で大門でしばられるという台詞を思い出しておかしいな」
「落語に通じるんですね」
「この辺りは風俗店が多い」
「今はそういう町になっていますね」
「写真は角えび。お風呂やさんじゃ。入浴料金はウン万円」
「高い……って、銭湯じゃないですからね」
角えびなぞは落語にも出てくるからお馴染みの名前というだけ。もうひとつ聞き覚えのある『一力茶屋』というのがあったが、これは『忠臣蔵』に出る名前だから、京都伏見でないとなあ……吉原にあってもねえ」
「はい」
「この道を進めば吉原神社、吉原稲荷に着くが、ちょっと寄り道」
「どちらへ」
「はい、次のページをお楽しみに」

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