8月20日 茨城・福島・栃木を行く:その14「夕食」

「さあ、2日目の夕食じゃ!」
「食べる時だけ気合いが入りますね」
「今夜も天王坂でのコース」
「はい、いただきます」
「写真1枚目。右奥はビール
「分かりますよ」
「隣が食前酒白桃ワイン
「乙ですねえ」
「手前が先附、左から生雲丹と生湯葉の玉〆温製あわびと茄子の素麺海の幸と白ダツの酢みぞがけ
「真ん中は素麺ですか」
「素麺のように細く切ったものじゃ」

「二品目はお吸い物ですか」
「お椀『三陸産きんきの沢煮碗』。上品な味わい」
「大家さんに上品は合いません」

「続いてお造り旬のものを……』とういことで、4、5種類。気を遣って氷の下に光を入れてある」
「お洒落な一品」

煮物は『真鯛かぶと煮 磐梯高原大根、牛蒡』ということで、顎の下に乗っているのが大根と牛蒡」
「すごいですねえ。食べられるんですか」
「わしは箸使いが下手でこういう物は上手くいかないのじゃが、これは見事にほぐした。骨以外は全部食べたというほどきれいに食べられた。自分で自分をほめてやりたい」
「ないない」
「まあ、料理する人の腕も見事ということじゃ」

「あら……これは何ですか」
「お酒。店の方がかぶと煮に合うんじゃないかっておごってくれた。メニューには入っていない七ロ万(ななろまん)というお酒。会津の地酒じゃ」
「図々しい大家さんを甘やかすと大変なのにねえ」

「さあ、料理の続きで、焼物鮎塩焼と牛フィレ肉のソテー サラダ添え』」
「これもきれいですね」

揚物は『たらば蟹のてんぷらとグリーンアスパラ』」
「なるほど、緑と赤の取り合わせ。手前のスプーンの塩がお洒落ですね」

食事は『にぎり寿し 赤出し汁』。マグロ、カンパチにイカ。その日の一番いい食材で作るのだから、当然いける。赤出し汁はちょっと辛目じゃが、寿司にピタッとマッチしている。具沢山もお見事」
「バランスに気を遣っているんですねえ」

水菓子は『本日のデザート』。焼きプリンと果物に冷たいお茶を添えて。プリンは表面はカリカリ、中はトロリ」
「見事な一品ですねえ」
「さあ、これで今日も満足して一日を終える」
「それで明日はまた新たな気持ちで出発ってことですか」
「いや、夜のホテルを紹介しないと……」
「……大家さんが言うと怪しい台詞に聞こえますね」

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