8月19日 茨城・福島・栃木を行く:その3「よう・そろー」

「さあ、昼食ですね」
「まずは、写真、北茨城市漁業歴史資料館『よう・そろー』じゃ」
「資料館ですか」
「今は季節はずれじゃが、いつ行ってもあんこうの全てを見ることが出来る。入場料は300円じゃが、周辺の観光案内書を持っていると団体料金で入れるぞ」
「それはどこかで手に入るんですか」
「各観光地で……わしは雨情生家でもらった。雨情記念館ここ、それから先の岡倉天心関連の施設で使える。生家では使えないのじゃから、いいコースで回っていたのじゃな」
「はいはい」

「こちらはお隣にあるお船祭りの町大津港センター『よう・そろー物産館』
「物産館というと……」
「お土産に魚介類はもちろん、野菜類も」
「いいですねえ」
「上、左の写真が入口、右が横からの様子でございます」
「いくつかのお店が入っているんですね」
「本当の港の市場に行くと、それぞれの店が呼び込みで、試食させ売りつけようと……よく言えば賑やか、悪く言えばやかましい場所だが、ここはのんびりしていて、魚を見ていても、店の人同士でおしゃべりをしていたり……」
「売る気がないですか」
「でも雰囲気はいいぞ」
「何か買いましたか」
「漬け物、佃煮などを買ったら、干し魚をおまけにくれた。干し魚独特の臭みや変な味付けもなく、大変美味しくいただきました。ありがとうございます」
「ここで礼を言うな」
「こちらがその奥、市場食堂じゃ〜」
「気合いが入ったね。食べる時だけは元気なんだから」
「ここは定食が350円。御飯に味噌汁と小鉢、お新香にデザートがつく」
「すごいですねえ。安い。おかずは何です」
「お前、定食にはおかずが付かない」
「へ……」
「これにおかずを買い足して食べるのじゃよ」
「ああ、なるほど」
「ごはんのお代わりは150円。おかずは刺身の盛り合わせが950円から。まぐろなら1100円、かんぱち1050円、ひらめ1200円から、など。煮魚でどんこは850円、他は時価。焼き魚は鯵が630円、いかの生姜焼きが520円。天麩羅もある、この日は700円から950円。その他、その日の水揚げ次第で色々」
「新鮮そうですねえ」
おまかせ定食は刺身に焼き魚か煮魚、天麩羅がセットで1750円。ちらしがメインの市場定食なら2200円、デラックスが2750円」
「CMになって来たな。で、何を食べたんですか」
「写真右、海鮮丼、1250円」
「すごいですねえ」
「丼には海老、赤身にトロ、貝、イカ、鯖、ヒラメ、ウニにイクラ、シラス、それに玉子。味噌汁は蟹が半身入っている」
「豪華ですねえ」
「その日の水揚げによって替わるので、いつもこれとは限りません」
「はい、お勧めですね」
「那珂湊に、テレビで人気になった開店寿司屋があるが、正直に言うとちっともおいしくないし、安くない」
「あら、そういうこともあるんですか」
「雑誌もねえ……あれは店がお金を出して載せるのだから……」
「当てにならないということですか」
「ということで、こちらは本物でした。いやあ、満足満足……さあ、帰ろう」
「あれ……大家さん、まだ旅は始まったばかりじゃないですか」
「え……あ、そうか……忘れちゃった」
「食べると話が終わっちゃうんだから」
「これから五浦(いづら)の方へ参ります」

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