８月１１日 新宿（２）：新宿からの眺め
「さて、損保ビルからの眺め」
「右手前はモード学園ビルですね」
「奥に東京タワーも見える」
「え……どこです」
「ちょうど写真の真ん中」
「見えませんね」
「はい、リクエストにお応えして、アップで」
「なるほど……東京タワーも目立たなくなりましたね」
「そうじゃな。もう分かっていることじゃが、1958年、昭和33年なので高さも333ｍにした」
「50年以上前ですから、目立ったのでしょう」
「そうじゃな。まさに東京のシンボルだった訳じゃ。ビルもその後霞ヶ関ビルってのが出来て、これが初の高層ビルだったわけじゃな」
「あれ、こちらは」
「新しい東京のシンボルになるのかなあ……東京スカイツリー」
「あ、真ん中……遠くにありますね」
「はい、アップで……しかしなあ……東京タワーのインパクトに比べて、何か今更という感じがするのはなぜじゃろう。もう高層ビルなんか当たり前という時代なのだから」
「でも人気ですねえ」
「これは取手の我が家から撮った写真。中央白いビルの左奥に見えるのがスカイツリーのてっぺんだと思っていた」
「いた……って……」
「この翌日に新宿で写真を撮った訳じゃが、一番上に乗っている物が写っていない」
「すると……」
「この日と、翌日の２日で進んだのじゃろうか……」
「もう一度取手から確認すればいいじゃないですか」
「この後晴れてはいるが、すっきりせず、靄っているのじゃ。白いビルまでは見えるが、その先は何も……」
「さあ、天気が良くならないと謎は解けない」
「はい、この後モード学園ビルの本屋へ行って、夕食は高級寿司」
「ケチな大家さんだから、普通の寿司屋でも高級になるのです」
「ということで、新宿の報告は以上をもって読み終わりといたします」