6月22日 お江戸日本橋亭

「さて、5月から行われて来た芸協の真打昇進披露興行、いよいよ後半戦に入った」
「初日の新宿、春風亭鹿の子がトリの時に行きましたね」
「彼女の贔屓なのじゃ。その後池袋など……今週は日本橋亭、来月早々に上野広小路亭……ええ、後は国立があるのかな……」
「ともかく大忙し」
「この日本橋亭じゃが、17:30開演」
「行けますか」
「仕事が終わって駅まで走って行ければもう1本早いのに乗れるが、まあ、普通は走らない」
「はい」
「それで次のに乗れれば、18:30頃の到着」
「あらら。遅刻ですね」
「実はもっと……着いたのは19:30じゃった」
「もう終わりですね」
「そういうことで、真打昇進披露口上と、鏡味正二郎の大神楽、それからトリの鹿の子を見ただけ」
「まあ、仕方がありませんね」
「師匠の小柳枝は聞きたかったが、まあ仕方がない。鹿の子の出し物は何と『子別れ』。さすが、男を演じてもいいし、母親が素晴らしい。女性ならではということかな。夫婦再会の場面はじーんとさせるものもあった」
鹿の子って、二ツ目時代には新作が多かったですね」
「そうじゃな。そこに認める部分も多かったが、真打になってからは本格古典が多い。もちろん、トリとして何を出すか、そこに自覚と決意が感じられるものじゃ」
「はい、そういうことで……」
「落語1席に木戸銭は高いかと思ったが、この芸なら払う価値はあったということで……」
「本日はこれぎり」

inserted by FC2 system