6月12日 鉄道博物館

「ええ、そういう訳で」
「どういう訳」
「……」
「……」
「今日は東京、新橋へ出掛けまして……」
「無視かよ」
「旧新橋駅舎を利用した、鉄道歴史博物館でございます」
「はい、写真が出ています」
「昔の駅がこんな風に作られているというのを見るのに、床がガラスになっていたり、色々工夫されている」
「見応えがありますね」
「さて、わしが出掛けたのは、『正岡子規と明治の鉄道』という展覧会が開催されているので」
「はい、大家さんは実は俳句をやっていたのです」
「創作は二流と水原秋桜子先生にほめられた」
「ほめてない」
「展覧会では松尾芭蕉を手本として、奥羽旅行を企画したという話が第一章。なるほど、随筆の書き方に芭蕉の影響を見ることが出来る」
「それで子規は東北線に乗った」
「そういうことじゃな。明治24年に上野から青森まで東北本線が通じた。26時間半掛かったそうじゃ」
「大変ですねえ」
「第二章では鉄道に関わった人ということで、子規とベースボールの部分がなかなか面白い」
「日本に野球を紹介した人ですからねえ」
「第三部は子規と仲間……ということで、夏目漱石らが登場。最後に子規の遺品もあって、なかなか面白いぞ」
「はい、皆様もぜひ」
「こちらは木戸銭は無料。じっくり解説を読んで、ゆっくり見ても1時間あったら余るかな……急いでいるならざっと見て15分」
「小さな博物館でございます」
「ということで、本日はこれぎり」

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