6月2日 水戸を行く:その3 祇園寺

「さあ、水戸のロマンチックゾーンを散策」
「どこがロマンチックなんですか」
「え……さあ……」
「頼りないね」
「今日は祇園寺。水戸黄門でお馴染みの光圀公が作ったお寺じゃ」
「へえ」

「明(みん)国の心越禅師が光圀公に呼ばれて水戸で生涯を送るが、この寺の開山を行った」
「写真は」
「これは落語でもよく聞く『くんしゅさんもんにいるをゆるさず』。『くん』というのはネギやニラのような匂いの強い野菜。仏教では香りの強いものは不浄とされ、不浄なものや酒のように心を乱す物は入れないということじゃ」
「大家さんをよく入れましたね」
「お前、うまいことを言うな」
「感じてないね」

「こちらは金剛尊天堂。元禄7(1694)年に光圀公によって建てられたが、安政の火事(1858年)で寺が焼失した折、この建物だけが残ったのじゃ」
「当時の物はこれだけってことですか」

「はい、これが本堂。まあ、このくらいで」
「いつもの通り、だんだんいい加減になります」
「次はこの奥へ墓参りに行こう」
「まだ続きます」

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