5月23日 エマニュエル・パユ

「さあ、この日のメインは……」
「大家さん、おかしいですよ……この日のメインて、早朝寄席も、堀之内寄席も、今日のメインだって言ってましたよ」
「……そりゃあ、みんな大事なイベントで……田舎者は、一度上京すると幾つもの大事なイベントをこなさなければならんのじゃ」
「私に怒っても……で、何なんです」
「え、何が」
「今日のメインは……ですよ」
「あ、そうか……忘れちゃった」
「しょうがないね」
「銀座へ出て、カラオケセットを手に入れ……」
「え……カラオケですか」
「今回はモーツァルトの協奏曲」
「クラシックかよ」
「念願だったフルートとハープのための協奏曲がやっと手に入ったということで……」
「本日はこれぎり」
「おいおい、今日のメインはこれからじゃ」
「あれ……いつもと逆だね」
「ベルリン・フィルの主席奏者、エマニュエル・パユ氏が来日。前日の夜着いて、この日のお昼に1回目の演奏をした」
「上の写真、真ん中の方です」
「この夜はトーク。音楽について、ベルリン・フィルについて、新しいCDについて……」
「新しいCDは」
「左がサインをもらったジャケット。『ファンタジー』という題名で、歌劇の名曲を編曲した作品。『オルフェオ』や『カルメン』前奏曲といった、フルートの名曲も入っている」
「フルートはプリマドンナかな……わしも演奏するが、オッさんのわしが演奏していても、女性の歌うメロディが似合っているような気がする」
「はいはい」
「そういうことで、オペラへの思いや、もし歌手だったら……そういう話をしたのでございます」
「ご苦労さま」
「尚、パユさんの声を聞きたいという方は、ベルリン・フィルのHPをどうぞ」
「声も入っているんですか」
「楽員団によるインタビュー。パユさんはインタビューを受けるのはもちろん、インタビュアーとしても活躍している」
「へえ」
「とにかく、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語など……数ヶ国語が使えるから、こういう企画では素晴らしい力を発揮される。もちろん、音楽への造詣が深いから、突っ込みも深い」
「はい、皆様もぜひ」
「ということで、これでやっとこの日の予定が全部終了でございます」
「ご苦労様でした」

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