「さあ、５月１日新宿末廣亭で、真打披露興行が始まりました。まずは前座で春風亭昇々の『初天神』」
「あ、それはもう前のページで出ちゃいました」
「そうか……では写真のみ。団子を食べているところ」
「はい、春風亭笑好」
「『善哉公社』、ビルの中をあちこち行かされるのをメインにおいて、てきぱきと演じた。いいテンポ」
「檜山うめ吉」
「三味線と唄で、諫早甚句、品川甚句、小唄、踊りで奴さんと姐さん。いい声だが、もう少し声量があればなあ……お座敷なら最高」
「はいはい。三笑亭夢花」
「『庭蟹』。わしは余り好きではないのじゃが、今日はとにかく無駄なく、テンポ良く……上出来」
「春風亭柳之助」
「『転失気』。これも良かった。和尚と医者の貫禄の違いがいい」
「Ｗモアモア」
「お馴染みの漫才。店員マニュアルのネタ」
「春風亭柳好」
「『看板の一』を軽く……前のページで、真打昇進披露ではどうも盛り上がらないことが多いと言ったが、今日はみんないいな。軽い調子で人物が合っている」
「柳亭楽輔」
「『浮世床』、将棋をあっさり、本をじっくりだが軽く演じて、これもいい」
「北見マキ」
「お馴染みのマジック」
「今日はマジックですか」
「右上の写真は真打昇進披露の手妻」
「やってることは同じですね。春風亭昇太」
「『ちりとてちん』。大袈裟な身振りだが、中身は変に作らず……人物が昇太らしいので、真似の出来ないものに仕上がっている」
「さあ、仲トリは三遊亭小遊三」
「写真は芸協落語祭の折のダンディ・コユーザ」
「はい、どうでもいい」
「『替り目』。これも小遊三ならではという、ちょっとした台詞。さすがという出来じゃ」
「さあ、仲入りをはさんで、いよいよ新真打の登場ですが……」
「はい、これはまた次のページで」
「予測通りですね」