京都・奈良への旅15:京都その8「風俗博物館」(2月5日)
「さあ、今回最も重要な目的地がここ」
「あれ……東本願寺じゃなかったんですか」
「まあ、大切なところが幾つかあるのじゃよ」
「ビルしか見えませんよ」
「真ん中の建物が八橋でおなじみ井筒のビル。この中に風俗博物館があるのじゃ」
「ご覧の通り、雛人形を思わせるが、人形を配置して、平安時代が再現されている」
「絵巻の世界ですね」
「これはいいな。裳裾(もすそ)が簾から出ているが、ここに女性がいることが分かる。この重ね着が季節によって色の組み合わせを変えるのじゃ」
「女性が沢山いると、色々な裾が出ているんですか」
「そう。華やかじゃなあ」
「あれ……これは」
「光源氏君」
「ううん……本気にする人はいないだろうなあ」
「ここでは平安時代の衣装を着る体験が出来る。他に客もいなかったから、係り員に命じて写真も撮らせ……」
「また迷惑をかけているな」
「はい、光源氏が女性を口説いているところ」
「よくやりますねえ」
「興味のある人には各時代の衣装、これは絵葉書で購入できる」
「面白い博物館ですね」
「はい、これからバスで北へ進みましょう」