京都・奈良への旅1:京都着(2月3日)
「さて、昨年新型インフルエンザの影響で色々あった」
「世界落語会も中止、大家さんも影響ありましたね」
「さて、その関係でもう一つ、スペインとの交流が予定されていたのも延期となり、やっと今回実現した」
「交流って、どういう企画なんですか」
「次の絵をごらん」「これは、お爺さんの絵ですね」
「千葉県庁に勤務していた時代、昭和3(1928)年に爺さんが建てた『メキシコ記念塔』。写真右」
「これが何か」
「1609年、フィリピンからメキシコに帰ろうとした船が嵐で座礁、岸和田、田尻海岸の村人が救助活動を行い、373人のうち317人を救った。この事故から400年を迎えたのじゃ」
「なるほど……あれ……スペインでしょ。メキシコじゃありませんよ」
「そう、当時メキシコはスペインの属領だったのじゃ。それで、この塔も正式名称は『日・西・墨三国交友記念之碑』という。西はスペイン(西班牙)、墨はメキシコ(墨西哥)、そして、日は何と、日本のことじゃ」
「分かりますよ」
「まあ、そういうことで、これを記念して、三国の交流会を行うことになった。残念なことに、メキシコは日程の都合で関係者数人だけの参加となり、日本とスペイン、二ヶ国を中心とする交流会となったのじゃ」
「さあ、それでは参りましょう」
「わしは日程の関係で写真の千葉へは行けなかった。そういうことで京都へご案内ということで……」
「はい、噺は早いや、もう京都へ着きました」
「左はお馴染み、京都駅に着くと南に見える東寺の東塔」
「京都のシンボルですね」
「この道をまっつぐ行くと羅城門跡、まあ碑が立っているだけなのじゃが、わしは昔国語の教師をやっていた」
「あれ……今は」
「遊び人」
「納得」
「まあ、それで、デジタル教材を作成している。これもお遊びじゃが。文学の舞台は取材したいのじゃが、今回はパスで通過したのみ」
「また来られますからねえ」
「車は左へ折れて南へ南へと北上し……」
「また、無茶苦茶な日本語だね」
「右の写真は桃山城」
「安土桃山時代という桃山ですか」
「豊臣秀吉が建てたもの。もちろん今残っているはずはなく、昭和39(1964)年に再建されたが、10年前くらいから耐震強度の不足で入れなくなっているとか」
「はい、とりあえずお写真のみ」
「更に南へと進み、奈良に入る」「これは山ですか」
「宇和奈辺古墳(うわなべこふん)。全長260m、西側の幅210m」
「埋葬されているのは誰です」
「分からないそうじゃ。こうして今日はこれから薬師寺へ」
「世界遺産の旅ですね」
「一昨年、この準備のために取材して回ったが、奈良駅周辺だけじゃった。興福寺と東大寺、電車から眺めただけの平城京跡、京都へ回って二条城、平等院、清水寺、銀閣寺、下鴨神社、上賀茂神社、金閣寺、竜安寺、仁和寺、天竜寺……4日で13の世界遺産を回った」
「ハードですね」
「今回も4日あるが、少し余裕を持たせて、いいとこをピックアップ」
「で、薬師寺ということになったんですね」
「はい、これはまた次回」
「あ、やっぱり」