1月18日 品格のある落語会

「さて、今夜は落語カフェ桂夏丸君の『品格のある落語会』」
「これも恒例になりました」
「ちょっと遅いから、仕事が終わってからでも何とか間に合う。その代わり、終わってすぐに帰っても自宅に着くのは10時半」
「大変ですね。実質1時間半の落語会に6時間を掛けるんですから」
「まあ、それだけの価値もあるということじゃ」
「はい」
「1席目はおなじみの『味噌蔵』。結婚が冬、子供が出来たのも冬。落ち着いた雰囲気で主人を描写するが、何だか年寄りくさい」
「でも、新婚さんなんですね」
「そう。若さはある。主人だから落ち着いてもいる。まあ、無理に勧められて結婚をするのだから、ある程度の年齢だということも分かる」
「年齢の詮索ですか」
「まあ、若い夏丸君が演じることで、まだ若いという雰囲気もあって、なかなかいいな」
「はい、2席目は」
「『小言幸兵衛』。1人目の職人、これが切れる場面から落ち着くあたり、ちょっとつながりにスムーズさがない。だからバラバラ」
「はい、これからの課題」
「2人目の仕立て屋とのやりとりは実にいい」
「はい、ほめますね」
「1人目との対比が生きるともっと受ける訳じゃ」
「お仲入り後の3席目は」
「何と『開帳の雪隠』」
「どうして『何と』がつくんですか」
「前の2席がそこそこ長くてトリでもいいという作品。それに対して、これは軽いものだから、最初か間にはさむものじゃろう」
「そうなんですか」
「さて、1席目に若さを感じたが、2席目3席目はお爺さんお婆さんという台詞が出る。2席目は婆さんというがまだそれほどでもない。この3席目はお年寄り夫婦の店という感じで……」
「ああ、どんどん年が増して来るんだ」
「それをねらったのかな……たまたまじゃろうが」
「はい、こうして無事終演」
「はい、課題もあり、成長も見られる会でした。もう一つ一般大衆受けするには……」
「どうすればいいんですか」
「精進することじゃ」
「あらら」

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