1月16日 ろべえ勉強会「東海道ひとり旅」

「さて、この日はお仕事……お馴染み柳家ろべえ君の勉強会に行きたいとは思うのじゃが……」
「何か問題が」
「今回は3時からの会なのじゃ。勤務時間の2時で終わって飛び出すと、駅に着くのは2時半。うまく32分に乗ると、開場到着が4時ちょっと過ぎ」
「あら……半分終わっちゃいますね」
「何かあって遅れると絶望的なのじゃ」
「半分終わっても行くつもりでしたか」
「まあそれで、お昼になった時に、腹を押さえて……」
「何事です」
『持病の癪が……』ってんで、早退……そのまま無事開演前に会場に着いた」
「……例によってとんでもない行動をしていますね」
ろべえ君の1席目は『牛ほめ』。与太郎が本物のバカでもない。一生懸命やろうとするが能力がないのじゃな。台詞をおかしくするくすぐりはもっと押してもいいかな。しかし、そのおかげでテンポはよかった」
「色々な演り方があるんですよねえ」
「お尻を見るのも品があっていいが、牛を見てから落ちまではもっと盛り上げてほしい」
「はい、まだまだ成長します」
「ゲストは五街道弥助。今秋の真打昇進が決定」
「おめでとうございます」
「どういう名を名乗るのかという問題を、後の飲み会で討論したが……」
「どうなりました」
「進められた名跡と継ぎたい名前があって……今のところ、過去にない新しい名前を名乗ることになりそうじゃ」
「その名は」
「はい、秋までお楽しみに」
「あらら」
「出し物は『鹿政談』。奈良の言葉がちらっと出る程度だが、雰囲気を作る。正直な容疑者と、温情ある奉行、悪役になるかな、鹿の守役……それぞれが生き生きと描かれ、奉行の裁きに迫力もあり、実にお見事」
「さすが真打」
「そういえる高座じゃったな。満足して帰ろう」
「また……せっかくサボって来たのに、中途で帰っちゃ駄目でしょう」
「そうじゃな。ちゃんとしていたら、ここで入場することになったのじゃから……」
「いい加減だね」
ろべえ君の2席目、お正月だというので『御慶』。前半の富くじを買って当たるまでの主人公がおかしい。心情描写として上々だったのではないかな」
「いいですね」
「それから後半は『御慶』という挨拶を教わってこれをわめき散らす……これもお調子に乗ってということでいいかな……」
「満足はしていませんね」
「それから落ち。相手が『どけえ(どこへ)』と聞き違えるのじゃから、『ぎょけい』って聞き返すのは余計じゃな。一つ前の友達が『どけえ』って聞き返す場面を入れて伏線とした演者がいたが、その方が説得力があるかも……打上ではろべえ君よりも弥助君と話したので、伝え損なった」
「はい、そういうことで」
「落語会が2時間、飲み会が5時間の後二次会という……」
「変なの」
「そういうことで、今年最初の落語会のご報告でございます」

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