12月26日 ろべえ勉強会「東海道ひとり旅」

「さて、恒例の柳家ろべえの勉強会、『東海道ひとり旅』が開催されました」
「毎月恒例で、3年を越えました」
「そう。ただ、場所がろべえ君とは縁の少ない行徳ということもあってか、何とかつ離れする程度の入り」
「『つ離れ』というのは10人以上という意味でございます」
「さて、今年最後ということで、ろべえ君も力が入っています」
「そうですか」
「最近大変なことを10分にわたって愚痴って……」
「あれ……力が入りませんよ」
「あら……どっかでずれちゃったかな……」
「大家さんこそしっかりして下さい」
「出し物は『鈴が森』。人物がとにかく面白いな……ただ、目が悪いので、やぶにらみになっている。これは以前からの課題なのじゃが」
「で、出来は」
「上々ですね。課題は打上で示しておいたから」
「はい、ゲストは柳家こみち
「今日は『死神』。何と死神が婆さんなのじゃ」
「へえ」
「爺さんの死神が常識。しかし、女性のこみちさんにはどうしても爺さんが演じられない。そこでこの演出に取り組んでいる」
「あるんですか」
「まあ、あるな。『ちりとてちん』を芸者にするとか……女性なら当然考えていいところじゃ。しかし、『桃太郎』『初天神』などを母親にするのはいただけないな。やはり馬鹿な親は男でないとならないのじゃろうか」
「まあこれからの課題ということで」
「さて、トリはろべえ君で『夢金』」
「先月の勉強会で演っていましたね」
「まだちぐはぐな部分が多かったが、今日はきちんと型になっていた。落ちに迷いがあるようじゃが……」
「というのは」
「昔は『自分のキンを握っていた』というのが当然。新しくなると金を握って『百両〜』『おい、静かにしねえか』というものも……まあ、他にも」
「で、どれがいいんです」
「さあ……自分のキンは緊迫感のある展開を一気に笑いに落として終わらせる。夢だったということで切るとドラマが盛り上がった所で切れる」
「ううん……どうなんでしょうね」
「これもこれからの課題……わしの結論は、臨機応変」
「……というのは」
「客層や他の演者、その場の雰囲気で使い分けるというものじゃ」
「はい。まあ、色々課題はあるようで」
「こうして打上に参加、終電を乗り継いで朝帰りとなった次第」
「大変ですね」
「因みに今日の2人はこれが仕事納めだそうじゃ」
「はい、また来年」
「わしはまだ寄席に行くぞ」
「はい、よくやりますね」

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