１２月５日　人権フェスタ

「さて、１０日が人権デーで、この前の１週間を人権週間としている」
「はい」
「それで、坂東市で茨城の記念フェスタが開催され、法務局から頼まれて出掛けることにした」
「お忙しいこって」
「ひどい所にあってな……水海道からバスで３０分、そこから歩いて１０分と言っているが、１キロあるから１０分で歩くのは指南の技じゃ」
「すごいですね」
「で、リハーサルが１０時４５分というが、水海道からのバスが毎時00分発」
「あれ……じゃあ、ぎりぎりですね」
「それでは申し訳ないから１時間前に行った……ところがリハが始まったのは１１時」
「あらら」
「それも手際が悪いから、こっちであれはこうだ、それはどうだって指示してやらなければならなかった」
「大家さんが仕切ったら、めちゃめちゃですよ」
「まあ、それでお昼を終えてから予定通り始まったが、主催者挨拶の後はポスターやら何やらの表彰式。これが１時間もあるから……お客さんはよく頑張って聞いているな」
「まあいいでしょう」
「それで人権メッセージや人権作文の朗読……これはなかなか立派なものじゃった」
「はい」
「それで休憩をはさんでアトラクション。おばさん２人によるオカリナ演奏……元々出来上がっている楽器じゃから、音程を変えることが出来ないのじゃろうな……和音が合っていない……まあ、我慢して聞くしかない」
「どんどん落ち込んで行きますね」
「最後に鎌田實さんの講演。これはなかなか感動的な話。これだけで来た甲斐があったというものじゃ」
「どういう話です」
「生い立ちから、家族との関係。そこから人権に結びつく人間関係の難しさ、更に国際的に活動を初めてから人々との出逢い……それぞれが素晴らしい内容だったぞ」
「はい」
「さて、４時ちょうどで終わったが、バスが出るのは４時４９分……」
「あら」
「行きも帰りも、バスで来る人なんか何も考えていないのじゃな……まあ今回はそういうことで」
「写真は何です」
「人権のキャラクター。やなせたかしさんのデザインじゃ」
「はい、そういうことで」