9月27日 ごっつぁん亭

「さあ、今日は神保町、らくごカフェ鈴々舎馬るこの独演会」
「タイトルがあるんですね」
「当方見聞録……じゃないぞ。『ごっつぁん亭』じゃ」
「どっから出たんですか」
「さあ……体型かな」
「……失礼だね。さあ、今日の一席目は」
「『実録 デート商法』」
「新作ですか」
「落語じゃない。趣味のビデオで、実際に掛かった電話に応対して、相手を癒すために落語を聞かせようという……まあ、詳しく書くと色々あるので、こんなところで」
「訳が分からないですね」
「相手の男が馬るこにお説教するのが笑える」
「はい、で落語は」
「まず柳家わさび三題噺
「お題は」
「グッゲンハイム美術館、わさび、定額給付金」
「内容は」
「超現代っ子の『何々じゃないすか、そうっす』なんてて口調の若者が住職になって、外国の美術館から仏像を借りに来るというネタ」
「はい、これも新しい世界なので、あまり詳しい報告が出来ないですね」
「そうなのじゃ」
「次はいよいよ馬るこの登場ですね」
「いや、特別ゲストがわがままで、先にやらせろってんで……」
「シークレットゲストですね。その正体は」
「何と、●●●●●●●●さん」
「ええっ」
「まさかまさかじゃろう。実はまだ正式に許可が下りていないので名前を出せない。彼は実は落語好きで、あの台本コンクールで賞をもらったほど……って、もうばれちゃったか。まあ、その入選したのではない自作を披露」
「いかがでした」
「やはり落語の人ではないからもう一つ、ストーリーで惹きつける作品じゃな……これも許可が出るまで書けない」
「さあ、ようやく馬るこが登場」
三題噺
「お題は」
「イケメン、選挙、リバーシブル」
「内容は」
「女性から見事に振られるブス男が、選挙に出てイケメン禁止法を作ろうという……馬るこらしい、ドヒョーッという展開の早さ、人物描写の面白さ……お見事の一席」
「ここでお仲入り」
「特別上映のビデオ……『菊六まつり』……内容は……知ってる人はタイトルでバレバレ」
「しょうがないね……詳しく書けません」
「そして、最後に落語、告知していたのは『宮戸川』じゃが、今日が千秋楽なので相撲ネタはどうだって……」
「え、告知したのに……」
「で、結局お客さんの投票によって、やっぱり『宮戸川』に決定」
「で、いかがでした」
「これまたすごい。お花が肉食系で、半七が草食系……伯父さんも馬るこらしい明るさでいいな」
「はい、いかにもということで……」
「大満足だったのですが、詳しく書けない諸々の事情もございまして、これにて失礼致します。これから神保町を出まして、上野まで歩きます」
「それはまた次のページで」

ろべえ夏丸仙花勉強会へ進む   表紙へ戻る

inserted by FC2 system