8月29日 ひだまり寄席

「さて今日は取手のひだまり寄席
「前回は残念でした」
「そう……4月にわしの推薦で桂夏丸君が来たのに、わしが仕事で行けなかった」
「今日は」
「今日も仕事……それで昼に職場で倒れて……」
「ええっ……」
で、『持病の癪が』って早退……」
「時代劇だね」
「それで何とか途中から入ることが出来た」
「忙しいですね」
「結局昼食抜きになってしまった」
「はい、落語のためなら仕方がありません」
ということで、ちょうど春風亭笑松が上がったところから」
「はい、写真右上」
「着物で出るとお坊さんやお相撲さんと間違えられるという……お馴染みのマクラから、お酒の話へ……取手は馴染みの土地だというのが大受け」
「どうして受けるんです」
「だから、来たことはないけれど、一杯やって電車に乗り、はっと気が付くと取手だったという……」
「ああ、出し物は『替り目』」
「良かったですか」
「マクラで気持ちをひきつけて、うまく人力に入っていった。実にスムーズに噺に引き込んでいったな。夫婦の会話も上出来。写真左は人力」
「はい」
「ただ一つ問題が……」
「何です」
「遅れて入ったので、席がほとんど埋まっている。前の方で一つ開いていたので、爺さんに『済みません、いいですか』って声を掛けたのじゃが、この爺さん足組をしたままで反応もしない」
「あら……」
「どうも態度が悪いなって思っていたら、わしが通った後、椅子をズッと後ろへひいて……すると後ろの奥様の足が椅子に当たった」
「あらら……」
「するとこの爺さん、『何でけっ飛ばすんだ、俺がお前の後ろに行って蹴飛ばしてやろうか』。もう少し言ったらぶっ飛ばそうかと思ったら、後ろの奥さんが『済みません』と謝ったんで、その場はおさまった」
「落語やってる最中にそんな長い文句を言うんですか」
「邪魔をしようとして意図したとしか思えないなあ」
「それで、本当に蹴飛ばしていたんですか」
「そう。で、椅子が半分ほど後ろにずれているのじゃ。悪いのは爺さんじゃぞ。それで、この爺さん、仲入りの間に係員に文句を言ったらしい。後半が始まったら、係の人が脇に立っている。で、この爺ィが『何で蹴飛ばす』って立ち上がると、この係員がさっと寄って『見ていましたが、全くふれてもいませんよ』って。で、わしも応援して爺さんを追い出した」
「しょうがないね……」
「小母さん方も、呆れて……もう嫌になったんだろうね……帰ってしまった」
「いい迷惑ですね」
「これが唯一の問題点」
「……問題って、笑松さんの問題じゃないんだ」
「はい、仲入り後の食いつきは、マジックナッツ淳。右上が公式パンフレットに使われている写真」
「何か、可愛い印象ですね」
「はい、それで左が今日の写真」
「あら……誰かと思いました」
「鳩は同じ鳩なのじゃが」
「……そんなの分かりませんよ」
「ポイントでリーゼントを上げて帽子を取る挨拶のような素振りをするのがアクセントになっていた」
「で、マジックは」
「写真に共通の鳩が得意なのじゃろうな……その他筒から瓶や缶のビールがどんどん出るとか、ロープがつながるとか……」
「お馴染みのマジックが目白押しですね」
「そういうこと」
「さて、トリは古今亭今輔師匠」
「このシリーズで真打は珍しい。よく来て下さった」
「大家さんは顔馴染みでしょ」
「後で楽屋に挨拶に行ったが、師匠から他の出演者に紹介していただいた。笑松君はわしの顔を知らないというので叱られていたぞ」
「可哀想に」
「さて、出し物は『葛湯』」
「聞いたことのない演目ですね」
「有崎勉(柳家金語楼)の作品。2年前に桂夏丸君が勉強会で取り上げていた。他愛もない作品じゃが、消えてしまうのも……そんなところかな」
「今一の作品ということですか」
「そうかも知れない。しかし、やはり演じ手によって人物に命が吹き込まれ……馬鹿馬鹿しい内容に、ひょっとしたらあるかも……なんてリアリティーが出てしまうのじゃ」
「訳の分からない解説ですね」
「はい、ともかくみんな良かったという会でございました。最後にお婆さんを演じているところの写真でご報告を終わりとします」
「で、次回は」
「今度は11月21日、以前来てくれた三笑亭夢吉君、それにこれも経験者の美香ちゃんが二ツ目になって双葉になった。この二人が再登場」
「はい、皆さんもぜひ」

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