8月15日 ろべえ勉強会「東海道中ひとり旅」

「さて、8月15日、お盆の中日に、恒例柳家ろべえ勉強会
「大変な日程ですね」
「そう……だから、常連さんの3分の1は来られない。また、3分の1はちょうど同じ日に行われた師匠、喜多八の独演会へ行ってしまった」
「あら……普段でも20人くらいだから……」
「以上、実際に来たのが7人だから、そこからの計算」
「まあ、でも日程的には健闘ですか」
「そうなるな。さて、月末に発売される『東京かわら版』では、1ページにわたってろべえ君が紹介される」
「へえ、すごいですね」
イケメン噺家のナンバーワンに選ばれたのじゃ」
「え……すごい」
「じゃろう……なぜだか分からないが……」
「それはひどい言い方」
「女性達の圧倒的支持を得たという……編集の人と、お掃除のおばちゃんと、通りがかりの女性という、何と3人が……」
「本当ですか」
「まあ、それはともかく、勉強会のゲストは6月末に二ツ目になったばかりの粋歌ちゃん」
「女性の噺家ですね」
「明るく元気というのが何より……一席目は『真田小僧』。憎らしい子供にならず、可愛い雰囲気を残しているのは、その明るさがあるからかな。『話を聞きたきゃ、お前も1銭出しねえ』という、最近多い落ち」
「それで、ろべえ君の1席目ですね」
「『のめる』。癖についてのマクラが混乱。前夜、菊六君に呼び出され、二人とも3時まで付き合い、粋歌菊六が関西へ行くというので朝一から電話をしていたそうじゃ」
「大変ですね」
「さて、マクラはゴタゴタしたが、噺は可。『のめる』の男は明るく、『つまらねえ』男は暗い。そのあたり、どれだけ誇張するか……過ぎると嫌らしいが、もう少し違いを出してもいいと感じるな」
「難しいんですね」
「仲入り後の粋歌ちゃんは『紀州』。中に入る小噺が勝負なのじゃ」
「というと……」
「古い江戸小噺だけでやっていく昔の円生のようなタイプと、小朝以来の新しい小噺を並べる人……色々あるのじゃが」
「粋は」
「聞き違えで古い小噺を一つ、それから思い込みで新しいもの……更に自分の体験で演じるのが良かったな……こういう席でこんな形だから親近感もわくぞ」
「はい、それでトリとしてのろべえ君の一席」
「時間調整でマクラを長くしたが……これが混乱。『青菜』に持っていこうとして失敗……そこですっと入ればいいのに、それが若さじゃろう……結局『夕涼み』となった。それも中身を少し代えて……これは筋道の通った変革になったのが面白い。まあ、課題満載じゃがな……」
「はい、そういうことで」
「翌朝早く出発するのに、打上まで参加して……」
「翌日からは」
「福島への旅でございます。それはまた改めて」

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