8月8日 瓦山房落語会

「さて、今日は瓦山房というお店での落語会」
「はい、参りましょう」
「この日は花火大会が重なって、噺家さんのお友達も花火に行っちゃったという……」
「あらら」
「で、お客さんはわしを含めて6人。わしの他は全部女性」
「すごいことになりましたね」
「さて、これが実は昔昔亭桃之助君の会なのじゃ」
「2日前に広小路亭に出ていましたね」
「ゲストは桂夏丸君」
「3日前に広小路亭に出ていましたね」
「手を抜いてコピーで喋るな」
「はは」
桃之助君の1席目は『手紙無筆』。大筋は同じだが、その中で人物をどう作るかなのじゃ」
「どうでした」
「飄々とした軽さが持ち味になりそうな予感を感じさせた。ごまかして色々言う隠居が軽くていい」
「はい」
夏丸君は『もう半分』。お客さんは『もう半分』の繰り返しに滑稽噺だと思っていたらしい。ぞっとしたという感想を述べた女性が多かったな」
「そういう感想が出るのは」
「良かったのじゃな。前半の飲む場面を少し笑わせながら描き、後半の怪談へ……もちろん、前半の描写が後半に生きるのじゃ」
「難しいですね」
「こちらは、ひょっとしたら重い噺の出来る重鎮になる可能性も感じさせるな」
「すごいですね」
「さて、休憩をはさんで、桃之助君の2席目は『たがや』。これも軽い調子でトントンと進んで行くといいな」
「いいなって……この日は駄目でしたか」
「まだ、こなれていない。前日上げてもらったばかりだそうじゃ。まあ、今日やっておかないと、来年まで出来ないかも知れない」
「はい」
「やはり侍をあまり深刻に描写せず、軽い調子で行くといいな……他の演者の加えたくすぐりなどを幾つか教えて来たが、自分なりの物にすることじゃ」
「はい、そう言うわけで」
「打上で飲んで、朝帰りになってしまいました」

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