7月19日 TEN

「ふと仕事が無くなったので、らくごカフェで行われる落語会へ」
「このところ行きつけになっていますね」
「まずは近くのラーメン屋きなり屋で昼食。麺がちょっと太めでよい★★★★★、スープは麺と合っているが、食べ続けてちょっと辛い★★★★☆、餃子はこんな物だろうが6個というのはうれしい★★★★☆」
「また、グルメ情報になっているな」
「さあ、今日はTENのメンバーによる落語会」
「TENて何です」
「2003年に楽屋入りした落語協会の新人が10人、一人も欠けずにここまでやって来たというので、2008年に結成したグループ。その直後の3人はみんな辞めちゃったとか……メンバーは古今亭菊六柳家ろべえ三遊亭時松鈴々舎馬るこ桂三木男柳亭こみち古今亭志ん八古今亭駒次柳家さん若柳家花ん謝。同期の芸協は桂夏丸君ただ1人、円楽一門でもきつつきただ1人。二人でTWOというグループを作る動きもあるとか、ないとか……」
「それでも、10人そろっているってのはすごいですね」
「2009年7月17日から19日まで、3日間に4公演を行うというTEN(Toradetional Entertainment Ningens)〜2年目の挑戦〜の最終公演。『涙のリクエスト』と題して、ネットでリクエストを受け付けてネタを決めるという試み」
「すごいですねえ」
「最初(はな)は志ん八で『唖の釣り』。古典をしっかり身につけているという印象。若手の冒険というのがないのが寂しいかな」
「続いてはこみち
「『黄金の大黒』。金ちゃんが挨拶に失敗するのじゃが、これが実に可愛い金ちゃんで……こういうところは女性ならでは」
さん若
「『干物箱』。一人騒ぎがメインのいかにも落語らしい世界じゃな。普通は手紙を見付けて騒ぐが、演出が全く違った。面白かった」
「仲入り後はろべえ
「『鈴が森』をネタ下ろし……明るい泥棒が楽しいが、脅しの台詞が出てこなくて苦労していた……まだ身に付いていないな」
「危うし危うし……でも、出ないと……」
「客席でもハラハラした……しかし、これを子分の台詞で笑いにしたのがいいな……何年か前は本人がどぎまぎしてどうにもならなくなったのじゃが」
「さあ、トリは時松
「この会の発起人……4人が4人とも『時松兄さんのお陰で』なんて同じ台詞のマクラをやったんで、本人も……」
「え」
「まあ、いいジョークじゃな……出し物は『一人酒盛』。これもネタ下ろしじゃ。酒の小噺などを織り込んで、何とか楽しく聞かせようとした。一人で飲むのに違和感を感じさせたらおしまい。徳利を奪って飲むのが実にお見事。上々じゃな」
「はい、そうすると、みんな良かったと……」
「そう。それからエンディングがあって、丸3時間という充実した会じゃった」
「はい」
「で、色紙に全員の寄せ書き、全員の手拭いをいただいた訳じゃ」
「はい、図々しさ満載ということで無事お開きとなりました」
「あれ、左の図は……」
「これはお土産に持って行ったお菓子。漢字が違うが『じゅげむ』というのがいいじゃろう」
「はい、これをもって報告といたします」

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