7月12日 柏落語会

「さて、12日は第2日曜日」
「それが何か」
「北柏で行われる、定例の柏落語会がこの日」
「ああ、そうですか」
「わしは、昨年日向ひまわりちゃんを応援に行ったぎりじゃった」
「それが行ったんですか」
「ふと……実は先週はずっと体調がよくなくて……土日になって天気が回復したんで、少し調子を戻した」
「それで……」
「午前中は休んでいたが、お昼から出掛けようってんで……上野まで出る気力はないから、こちら」
「……って、それじゃあ失礼でしょう」
「やはり鯉昇師匠が出るんじゃ、行かない訳にいかない」
「結局なんだかんだと言い訳をして……出掛けた訳ですね」
「さあ、お手伝いは春風亭昇々君。写真右上。ううん……まだまだじゃな。もう笑いに来ているお客さんに助けられた」
「出し物は」
「『初天神』。子供が憎たらしいが可愛さもあって、なかなかだと感じた。お客さんが笑ってくれるのだから、もっとガンガン攻めていいのに……なぜか、団子の蜜を親がなめて終わってしまった……ポチャンまで行けばそれも落ちなのになあ……どうも締めにならなかったのは気にしているのかな……表情にちょっとそういう節が……」
「まあ、まだまだこれからの若者ですから……お目当ての瀧川鯉昇
「はい、写真左上。まずお辞儀をして顔を上げ……黙っているだけで笑いが起こる。それからボソボソと近況報告……奥さんの風邪……本人曰く『80度の熱だから』ってんで病院へ行くとインフルエンザ……タミフルで異常行動を始め、掃除はするし、師匠が帰ると三つ指をついて迎えるという……」
「……何だかずれてますね」
「もうマクラから独特の世界を作って行く。やはりすごいぞ……出し物は『千早振る』。これも竜田川がモンゴルから来た力士で……まあ大筋は同じなのじゃが」
「ちょっとした所に工夫があるんですね」
「だから古典とはいえ、世界を変える力量があるのじゃな」
「すごい」
「さて、仲入り後のもう一席『佃祭』。これも笑わせながらドラマチックな世界に引き込んで行く」
「ドラマですか」
「船の転覆に、客席から悲鳴が上がった……それだけドラマにした」
「引き込まれますね」
「戻る場面も、夫婦の会話でなく周りの人達の話にすることで笑いを取っている……うまいなあ」
「お見事ですね」
「はい、本日はこれぎり」

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