6月7日 ろべえ・夏丸・仙花 勉強会

「恒例の勉強会も、通算46回目」
「いよいよ50回が近付いていますね」
10月18日お江戸両国亭で記念式典」
「え、式典ですか」
「いや、記念の会が行われるので、皆様もぜひ」
「今からスケジュールにチェックをどうぞ」
「はい、本日はこれぎり」
「大家さん、また……」
「あ、忘れちゃった」
「しょうがないね」
「この日は色々回って、最後の一つがこの会」
「はい」
「まずは柳家ろべえで『付き馬』」
「この間演じていましたね」
「そう。ひどい奴なのに憎めないというのがいいな。調子の良さに乗せられて、約2キロも歩かされてしまうのだから仕方がない」
「だから落語として残るんですかねえ」
「そうじゃな。後味が悪ければやはりひっかかるものがある。これで客と馬と、早桶屋の主人、3人の描写がまだわざとらしい部分もあるが、もう少し自然になるじゃろう。これは得意ネタになる可能性を感じる」
「はい。続いて鏡味仙花ちゃんですか」
「前回同様、鈴本に出てこれから新宿へ回るので……しかもろべえ君の熱演で、40分もかかったから、実質15分」
「まあ、色物としては手頃な時間ですね」
「そうじゃな。バチを投げるのの4本に挑戦」
「うまく行きましたが」
「3本で、どうして寄席では失敗するんだろうってグチっていた。4本についてはノーコメント」
「はい、トリは桂夏丸君」
「大師匠の米丸作という『犬の癖』を演じた。確かに聞いた記憶はあるな……面白いのは、思い出して寄席で演じたら、米丸師匠が来て『誰の噺』って聞かれたそうじゃ」
「あらら……面白いですね」
「噺は軽いもので、落ちもあっさりしたもの……何となく中途な雰囲気なのは、時間が余ってしまったから……そこで癖について新しいマクラをはじめ、『小言幸兵衛』」
「あら、アンコールですね」
「最初の豆腐屋がまだこなれていないな。幸兵衛の台詞も、丁寧語だったり、乱暴な江戸言葉になったり、人物が混乱。しかし、後半の仕立屋が登場してからはいい感じじゃ。スムーズに心中の空想へと誘い込み、二人のやりとりも無理なく進んだ」
「はい、そういうことなら」
「上々じゃな。やはり勉強会といってもお金を出して聞かせるのじゃから、それだけの内容は必要じゃ。課題はもちろん多くある。まだ若いのじゃからな。しかし、今日の出来なら満足じゃろう」
「はい。そういうことで」
「来月7月は22日の火曜日
「あら、平日ですか」
「夜6時なので、仕事を終えてすぐ飛び出せれば……開演の時刻ぴったりに上野に着く」
「あらら」
「特急だと料金が倍になるが、それなら開演の時刻に会場入りできる」
「大家さんケチだから……」
「特急料金で、お土産を買った方がいいじゃろう」
「そういう言い訳をする」
「そういうことで、皆様もぜひお出掛け下さい」

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