5月16日 演劇 劇団岸野笑組「万お仕事承り

「先日に続いて、昨夜はまた演劇」
「今度は何です」
岸野幸正さんの劇団岸野笑組の『万お仕事承り』」
「何です、それ」
「これで『よろずおしごとうけたまわります』と読むその『お仕事の弐』で『追憶お捜しします』という副題がついている」
「前回はテレビでお馴染みの俳優さんが登場していましたが、今回はどういう方が出ているんです」
「岸野笑組の人達と客演の方々……関俊彦大倉正章山路清子小野真佑、等々アニメファンなら聴いたことのある名前がずらっと並んでいる」
「大家さんはアニメファンではないですが……」
「演劇強化月間で、色々招待されているのじゃ」
「5月の予定には入っていなかったですね」
「先週になってから招待を受けたので。義理を欠く訳にいかないので全部出掛けることになるな。来週も予定が入っている」
「お忙しいこって」
「まあ、そういうことで劇の報告に行こう。さすがは声優さん達、声がよく通っていて聞きやすいな」
「あれ、声が通るって、席は前の方じゃないんですか」
「寄席ではいつも前の方に座るが、演劇は全体が見えるよう出来るだけ後ろに座るのじゃ」
「へえ」
「さて、物語は、記憶を失った男を元正義の味方という侍が助け、お仕事承りの老人の元へ連れて行く。この男の過去を捜すという物語じゃ」
「記憶喪失ですか」
「それでたどって行くと、男のとんでもない過去が次々暴露される。更に、元正義の味方の過去も……爆笑の中で、そうした人間ドラマが浮き上がってくるのは見事じゃ」
「いい芝居ということですね」
「過去から今へつながり、未来に向かうというのが普通の人生じゃ。また、記憶を失ったまま未来を見つめるというのも一つの選択……最後に真面目なメッセージも加わっている」
「大家さん好みですね」
「そうじゃな。落語の世界は、テレビに出ている芸人とは違って、ただ笑わせればいいという世界ではない。それなら古典落語など古い世界で、今に生きているはずがない」
「ふうん」
「お客さんは素人じゃから仕方がないが、ちょっとした落語ブームで、ただ笑えばいいような人が多くなった。芸人の方がそこを勘違いして、お笑いに走ってしまうと、とんでもないことになるぞ」
「落語の滅亡論ですね」
「まあ、今回の演劇はそうした芸の世界まで考えさせる内容だったということ。24日までやっているので、詳しい内容は書けないが、素晴らしいぞ。当日5,500円、前売5,00円。池袋の東京芸術劇場で、日曜日以外は19時から、水土日は15時から」
「水土は二回公演ということですか」
「はい、本日は以上、ご報告を終わります」

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