3月28日 春スキー

「これは夜明けですねえ」
「左のちょっと高いのが浅間隠山、太陽の真下が岩淵山と駒髪山、その右が氷妻山、ちょっと右の目立つのが花曲山、それから甲武信山、国師ヶ山、金峰山、これらはひとまとめで、一番右の大きな山が浅間山から前掛山へとつながる」
「ということは、行った場所が限定されますね」
「そういうこと。こちらでスキーを」
「遊びに行っていますね」
「これでも仕事の関係なのじゃよ。5日間にわたってスキー、と言っても、初日と千秋楽は移動なので、実際に滑るのは3日間」
「まるで相撲のような説明ですね」
「左は夜明けの頃に南側の山を撮った写真じゃ」
「はい、天気が良かったようですね」
「夜の間に大雪、朝から晴れるという……春のスキーとしては素晴らしいコンディションじゃった」
「昨年はスキーで足が動かなくなっていましたねえ」
「そう。昨年やったから、今年はちゃんと滑れた。一度も転ばずに滑ったというのは生まれて初めてじゃな」
「いい年をして……まあ、良かったですね」
「膝が悪くなければ3級検定を受けたのじゃが……膝が動かないので小さいターンが出来ない」
「やっぱり年寄りだね」
「まあ、そういう訳で、挑戦しても検定料が無駄なのでや〜めた」
「子供だね」
「次の写真はスキー場の上から……といっても、わしが滑るのじゃから、一番レベルの低いところ……ここならわしでも転ばずに滑れる訳で……」
「生まれて初めて一度も転ばなかったって言いましたね」
「いや、実は二度目なのじゃ」
「あらら」
「一回目は、スキーウェアが無くって……」
「え、どうしたんですか」
「出張で行ったら、スキーをしていた人が足をくじいたってんで……その人の靴ががちょうどわしの足と合ったのじゃ」
「それで……」
「しょうがない、背広で滑った」
「ええ……」
「まあ、写真のよりもはるかにレベルの低い、本当に初心者向けのゲレンデだったが……」
「何かありましたか」
「それも春で、雪が解け、転んだら背広が水浸しという、そういうプレッシャーと戦うスキーじゃった」
「つまり、転べない」
「これはすごいプレッシャーじゃよ」
「今回は」
「レンタルのウェアを着用。しかし、夜積もった雪が気持ちよくてなあ……立っただけでくるぶしくらいまで雪に沈むし、滑ると新雪が胸の当たりまで巻上がる……気持ちよかったぞ」
「はい。上になりましたが、最後の写真は」
「これは浅間山」
「ということで、スキーのご報告を終わります」

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