１２月２７日　新倉瞳演奏会

「さて、今年最後の演奏会」
「チェロの新倉瞳さんの登場です」
「今年デビューしたばかりですが、その２枚目のＣＤ発売が決まりまして、その製作発表会でございます」
「はい、ジャケットが右」
「気遣いが大したもので、ジャケット写真のドレスで登場致しまして……」
「また……大家さんの報告は演奏とは関係がありませんね」
「まあ、女性演奏家はそれも楽しみじゃからな」
「それはそうですが……」
「曲はもちろん、今回のアルバムから。タイトルになっているシューマンの『トロイメライ』、バッハの『Ｇ線上のアリア』、エルガーの『愛の挨拶』など……」
「優しいイメージの曲が多いですね」
「そうじゃな。曲そのものは演奏も易しい……洒落になっていないな……」
「どうでもいいでしょう」
「ともかく、易しい曲は、そのイメージをどう作るか、雰囲気をいかに生み出すかということが大切なのじゃ」
「そうですか」
「素人演奏家が言うのも何じゃが、テクニックを見せるような曲はいい加減にやっても拍手がもらえる。こうしたみんながよく知っている曲を聴かせるのは大変なのじゃよ」
「へえ」
「まあ、そういう訳で、アンコールのブラームスの『子守歌』まで、気軽な曲じゃが気の抜けない演奏会じゃった」
「はい、ジャケットが出ているということは……」
「当然、デビューアルバムと共にサインをさせて……」
「デビューアルバムもですか」
「当然じゃろう……下は今回のアルバムのサインと、デビューアルバムのジャケットでございます」